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魔女さんとの魔法な日常  作者: ゴマ麦茶柱
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プロローグ

 興味本位でここに来てしまったことを今、絶賛後悔している。

「な、なにこれ…」

 頭蓋骨と言うのはイラストで見るドクロとは全く違って生々しい物だった。それが一つ私の目の前で転がっている。

 そしてその頭蓋骨を食す人形。メルヘンチックな洋服を身にまとっている様子からは想像もつかない音をたてながら食べていた。

「バキックチャァゴリュ」

 目の前の光景と漂う腐敗臭で今にも吐きそうになり、来た道を戻ろうと玄関の戸を開けようとするがなぜか開かない。一分くらい前に空いた扉が何の前触れも無く鍵がかかってしまった。

 すると、人形がぐりんと首を動かして私を見つめてきた。

「オナカ…ズイタ」

 そのまま浮遊して私に迫ってきた。

「や…助けて…」

 イヒヒヒと不気味に笑ってくるのが頭に響き渡る。

 すると、人形は笑っていた口を閉じて急に静かになると、顔面がぐぱぁと花のように開いて巨大な口になった。

 一目見てそのグロさに耐えきれず、吐いてしまった。

「げほっごほっ…」

 自分でも想像つかないような嗚咽で吐き散らす。

 ビシャッドシャと足元に吐瀉物が撒かれた。

 その間にも人形は近づいてきていて、もう目の前だった。

「っぐぅ…はぁ」

 もう諦めていた。

 口元から垂れ落ちる涎と吐物。服が肌にまとわりつくまでに出した汗。

 全身ビチョビチョのグチョグチョ。心ももう持ちそうにない。

「イタダキマス…キヒャヒャヒャ‼」

 思い返せば事の発端はあの噂だった。

 この街の外れに洋館があり、そこでお化けが出るという噂。

 お化けの一つや二つ見たいとか言う今思えば、後先を全く考えていない馬鹿な思いでここにきたのだ。

 しかも、箱を開けたら予想以上のお化けに襲われて、私はそいつに食べられる。

 …最期にお化けを一目見れただけでもいいか。

 覚悟に似た諦めで目を瞑った。その瞬間、目の前の真っ暗が真っ白に変わった。

 同時にドォンと轟音もして慎重に目を開ける。

「よっし捕まえたぁ!こらっ逃げるんじゃない!」

 目の前に突如として現れたその人の後ろ姿は何とも奇妙な格好だった。


 ―長くて先端がとがっている帽子。

 ―その人を隠すほど大きく、引きずっているマント。

 ―起用に片手でクルクルと回している杖。


 この言葉が一番よく似合う。


 魔女だ。



わ~い。久しぶりになろうであとがきですね。

なろうでは約半年くらい更新してなかったのでお久しぶりですね。

ということで新連載「魔女さんとの魔法な日常」です。

楽しんで頂けたら幸いです。

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