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月世界の願いごと~奇跡の花は煌めく三日月の夜に咲いて~  作者: 菜乃ひめ可
第二・五章 文化交流会(魔法勝負後)
92/181

80 文化交流会2日目~不安~

お待たせ致しました!!

にゃっは(*´▽`*)2週間ぶりの更新デス。


お読みいただきありがとうございます( ꈍᴗꈍ)

♪こちらのお話は、読了時間:約5分です♪


(Wordcount2220)


「うわはぁ……キレーイ!」


 噴水周りの美しいライトアップは、想像以上だった。聞いていた通り飾られた様々な色の電飾が、リズムを取って綺麗に光っている。


「あれって、もしかして?」


 三日月は、噴水の近くまで行くと、ある光景に気付く。じーっと眺めていたその光は、電飾がリズムを取っているのではなく、その電飾の周りにいる()()()()の放つ光が、楽しそうにリズムを取って、輝いているのだ。


「やっぱり、見に来てよかったぁ!」


 聞いた話だけじゃなくて、本物を見ないと分からないこともある。そう、しみじみと感じていた。


 噴水から流れる水に映る光。それは見る者の心を掴み離さない。その虹のような七色の輝きは“水”に溶け込んだ“光”。


「『綺麗』の表現……かぁ」


(人それぞれで、見え方が違うって聞いたなぁ)


 三日月には、その丸い光がキラキラと輝く花に見えていた。浮かんで見えるそれは、まるで美しく開いたスイレンの花のようだった。


「「ちゅっきぃー見て見て! キラキラ」」


 メルルとティルはくりくりのおめめを見合わせた後、頬をくっつけて両手を組み合った。そして幸せそうに、ふにゃふにゃ~と座り込む。


(二人には、どんな風に見えているのだろう?)


「あぁー、メル・ティルったら! しょうがないなぁ


 二人の微笑ましい、可愛すぎる姿に、もぉー! と言いながらも、自然と笑みが零れた三日月は「ねぇ、星様……」と、後ろを振り返った。しかしそこで初めてセルクがいないことに、気が付く。


――あれ?


「……星様は?」

「セリィ~にゃ?」「セリィいにゃいの?」


 この時、三日月の心にはとてつもなく大きな不安が()ぎる。


(……嫌な予感がする。まさか星様の身に?!)


「私ちょっと近くを捜してくる! メル・ティルはここで待っていて」


「わかたよぉー」「気を付けるのらー」


 夕方とは違い、噴水のライトアップは夜の人気イベントだは人混みの中を必死で捜し、歩く。近くを捜すと言っても、この賑やかさで視界はあまりにも悪く、どこから行けばいいのか分からなくなっていた。


「あっ……そういえば」


 三日月は入り口を通る際セルクが、受付と何かを話していた様子を思い出す。


(入り口で、はぐれたのかな?)


「戻って聞いてみたら、何か分かるかもしれない」


 いつもだったら人の少ない道を選び、苦手な人混みを避けていく。でも今は人の多さも気にならないくらい必死の三日月は急いで、入り口まで戻っていった。


(妙な胸騒ぎがする、なんだろう? 星様に何もなければ、それで……)


 そう考えながら、足早に人を避けながら歩いているつもり、だったが。


 しかし考え事をしている三日月の視野は、狭くなっている。


――タッタッタッ……ドンっ!!


「おっと……んっ?」


「す、すみませんっ! お怪我はございませんか?!」


(えっ……)

 相手を見てすぐ三日月は驚き、両手で口を押さえた。


「あぁ、大丈夫だよ」


「…………!!」


 なんという偶然だろう? ぶつかった相手は本日二度目「今宵の月は綺麗な三日月」と言っていたあの、理事様だった。こんなことがあるのだろうか?


(何だか解らないけれど、怖い。こんなことって)


 何より恐怖に思う、理由の一つは。


――『よそ見をしないで、気を付けて歩きなさい』


 一度目の時に厳重注意を受けていた三日月。にも関わらず、またしても考えごとをしていて、そして偶然にも、学園内で偉い方とされる最高位紋章を持つ理事様に、二度もぶつかってしまったのだ。


「あ、あの理事様。なんとお詫びを申せば」


 三日月は自分でも解らない恐怖の気持ちに足が(すく)み、動けなくなってしまう。


「やぁ、また会えたね。君とはやはり、御縁があるようだ」


「はぅ、えっと。どういう……」

(――御縁って?)


「君には見えたのかな? 今宵の美しく輝く“三日月”が」


「は……はい。でも、不思議で。今日は満月なのですが」

(見えたのかって、どうしてそんな風に?)


「そうか! やはり見えた、と。いや~素晴らしい。やっとだ、やっと……ついに見つけたよ。この“未来(とき)”をずっと、私は待っていたのだよ」


――「セレネフォス=三日月、【月の加護】を持つ者よ」


「どうして……? 私のような者の名をご存知なのですか? それに理事様。私は何の御加護も受けておりません。普通の()()()です」


 理事の話す言葉が、何を意味しているのか? 一体何が起こっているのかも、全く理解が出来なかった。


 そして感じる不安のスピードは、ますます加速していく。

(早く、星様を捜さないと!)


「私は、この学園の最高責任者。理事長の()()()()だ」


「ラ、ウルド……って」


(まさか、カイリ様たちの!!)


「三日月さん、知らいとは思えないが、一応言っておこう。君は、月の御加護を受けている。それは大会での活躍、皆が観た君の人並み外れた強き【力】が一番の証拠。まったくセレネフォスよ……これまで、よく彼女の存在を隠し通せてきたものだ」


「はっははは」と、理事長は高笑う。


「理事長様……あの……」


(何だろう理事長様、急に声質が変わった? 聞いているのが、辛い)


――まただ。耳が……いたいッ!


「そして、今宵の月が違って見えたという事実。これが最たるものであろう。これまでこの学園で、()()保護していたのかは知らぬが。今後、君は、(わが)ラウルド家の監視下の元に。この学園……いや、ルナガディア王国の為に。やって頂きたいことがあるのでね」


(どういうこと? 頭が……ぼーっとしてきた。何のお話なの? ワカラナイ。私のはなし?)


――えっと……『記憶』が……?


まるまる2週間、修正作業にかかりましたが、ほぼ終わりましたので、更新スタートいたしました☆

『16話 ひとりでいる事』、少し追加した内容があります。お時間あるときに、お読みいただけるとありがたいです。

読んで下さる全ての読者様に、感謝(◍•ᴗ•◍)


今後とも、よろしくお願い致します♪


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