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月世界の願いごと~奇跡の花は煌めく三日月の夜に咲いて~  作者: 菜乃ひめ可
第二・五章 文化交流会(魔法勝負後)
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55 文化交流会2日目~裏道~

お読みいただきありがとうございます(◍•ᴗ•◍)

♪こちらのお話は、読了時間:約4分です♪


(Wordcount1700)


 いつもは通らない、校舎の“裏道”


 何度か来た事はあったので、迷わずにグングン進んで行った。

 でも、本当は……滅多に通らない道。あたりも薄暗くなってきて、ちょっぴり怖かった。なので、気を紛らわすように私は、歌を口ずさみながら歩いていく。


『らんらーん♪ るんるるーん♪』


 出来るだけ“陽気”に! 精霊ちゃんのランプで自分のまわりを、明るく照らす。しかし、どうして? そこまで、私が恐れるのか? そこには【悪】の存在が関係していた。

 普段から人通りの少ない“道”や、暗く影になった場所には、悪の波動が生まれやすい。人の心の隙間を見つけては、狙って来る。

 心の弱さに付け込まれて、悪人へと引きずり込まれてしまう。


――そうならない為にも!!

 楽しい事を考えながら……。

 そう! たとえば、大好きなケーキの事とか♡ 採れたてのフルーツで作った、果汁100%ジュースとか!!

 私は今、『食べたい~飲みたい~』ものを思い浮かべて、ご機嫌になっていた。

「最近、ケーキ食べてなーい!」

 はぁう。苺ショートケーキたべたいなぁ……。


 なぁ~んて考えながら、


 あーれぇ? つい何時間か前に、美味しいデザートをたくさん食べたと思うのですが……。私ったら、もう『()()()()()』を欲している??


≪ ほんと好きねぇ~ ≫

 自分で自分にツッコミを入れる。

 そんなこんなで……

『楽しい事を考える作戦』は、大成功♪

“裏道”の中でも一番危険な場所を、通り抜けることが出来た!!


「え~っと。この先は『癒しの木』だったよね」



 『癒しの木』とは。

 3m以内であれば、【力】(能力・魔力)を回復する事ができる木。

 学園の中の数か所に植えられていて、その木のある場所は、生徒が自由に過ごせる、小さめの公園スペースとなっている。



「よーしっ! もうすぐ公園に着く♪」


 すると、何やら話し声が聞こえてきた。


≪ えっ! 人がいる?! ≫


 こんなに盛り上がっている文化交流会。まさか、こんな場所に先客がいるとは、思いもよらず。


「……ボソボソ…………」


≪ どうしよう ≫

 うーん……。いやっ、もう仕方ない!! とりあえず、急いで通り過ぎて、別の場所に行こう!


 そう決めて、私はゆっくりと歩みを進め、『癒しの木』公園に入っていく。視線に入るか入らないかぐらいの距離を取り、気にしてないですよ~と、なるべく見ないようにしながら通っていると、だんだん声が大きく聞こえてきた、その時!


「つっきちゃあ~ん♡」


「うふあわわーー!!!」

 私は、しゅっごい驚きましたっっ! だ、誰だろう?? いきなり暗いところから出てくるのは、やめて下さい……心臓が止まるかと思いましたよぉ。

 尻餅までは付かなかったのだけれども、かなり後ずさって滑った……。


「お姉様!!! もぉ……」


――えっ……


「め、【芽衣里(メイリ)】様?!」


 ぺこりとお辞儀をされ、そしてまた、謝罪をされてしまった。

「はぁ……月様。ユイリア様に続いて、重ね重ね……本当に申し訳ありません」


「あっ、いえ。ちょっとびっくりしましたけれど。えーっと……」


 “お姉様”って、一体?


 メイリ様が、呆れたお顔で立っていらっしゃる。その隣で、クスクス笑っているお方は。


「――【愛衣里(アイリ)】さまっ?!」


「はいは~い♡」そう言いながら、こちらへ向かって、優雅に手を振って下さっている。……って、そんな事よりもぉぉ!


「エッ?あのぉ~“お姉様”って。お二人は姉妹?」


アイリ「そうですわ♪」

メイリ「残念ながら……」


「まぁ! メイちゃん!! 何てこというの?」


 メイリ様の嫌々のお返事に対して、『姉妹』だと、嬉しそうに話すアイリ様……んっ? という事は??


「それって……」


「えぇ♪ ラウルド家。(わたくし)が長女の【愛衣里(アイリ)】、長男【海偉里(カイリ)】、そして末っ子次女の【芽衣里(メイリ)】ですわ。うふふふ」


 アイリ様は、なぜか嬉しそうだった。


 しかし、なんという『衝撃』。

 私は驚きすぎてうまくお返事を返す事ができませんでした。


「へぇーそーだったのですかー」

 あぁ、棒読みになっちゃったぁ。


 そんな、気の抜けた顔で返答すると、アイリ様がにじり寄って、私に質問なさった。


「そうそう、月ちゃん♪ 【()()()()】様には、お会い出来たのかしら?」


「え……っと?」


――【()()()()】様?


 その方は、一体誰なのでしょうか?


いつもお読みいただきありがとうございます(≧▽≦)

今後とも、宜しくお願い致します。

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