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0 期待と希望

お読みいただきありがとうございます(*'▽')

♪こちらのお話は序章2です(本編は第3部分より)


 読了時間:約3分(Wordcount1500)


 美しく(きら)めく三日月の夜から――。



「んぎゃ、んぎゃう……ぅぅ」


「はぁい、お腹すいたのかなぁ?」


 そう言いながらベビーベッドに寝かせた愛娘を抱き上げた望月に、衝撃が走った。


「こ、これは」


 望月はまさかと思いながら、ゆっくりと小さな手を取り確認する。「どうか違っていてほしい」そう願いながら……しかし、その思いは叶わず。キラリを取り仕切る関係者へ報告せざるを得ない状況に、至ったのであった。





 関係者以外の立ち入りを禁止された望月と赤ちゃんの休む部屋。そこでは緊急会議が開かれていた。


「これは、な、なんということだ。この子は!」


「まさか、こんなことが本当にあるとは」


「驚きました……この事実が他に知れ渡ってしまったら、大変な事態になりかねないですぞ」


 発言され聞こえてくる言葉は皆、同じような内容ばかりである。何より会議に参加している者全員が、生まれて間もない可愛い赤ちゃんの姿を見つめながら、焦り、驚いていた。


 赤ちゃんに変化が見られたのは、生まれて二日後。


 まずは髪の色だった。母譲りの綺麗な茶色から、突然ホワイトブロンド色に変わり、その数時間後には、泣き始めると微弱の魔力を発動させ、右手の甲に月の紋章がうっすらと光り現れた。


「おぉ、なんと美しい」


 その紋章はルナガディア王国に伝えられている人並みならぬ力(能力・魔力)を持つ者の(しるし)であったのだ。



――期待と希望ある未来への(きざ)しと言われる、月の紋章。



「ルナガディアの歴史が、動くやもしれぬぞ」


「えぇ、そうですね。この子の手には奇跡と言われる美しき紋章が浮かんでおりますゆえ。恐らく……いや、間違いなく」


――この御方は『月の御加護』を受けていらっしゃる。





〔重要文化歴史書物〕


『ルナガディア王国の光、夜空を照らす“月”は、特別な存在となるであろう』


 ここルナガディア王国に残る〔重要文化歴史書物〕に記された伝説。その書物の中には様々な歴史や過去の危機的状況を回避してきた方法が記載されており、中でもこの一文は重要とされている、記述である。


 そして何千年かに一度、終末奇と呼ばれる謎の力を持つ【(つひ)】という者が現れ、この国を亡ぼすと恐ろしい言葉が残されていた。


(つひ)は、現在の(あく)と呼ばれる悪業組織にも似ているがしかし、その比にならない想像を絶する強大な力で襲ってくると、考えられている)



『終が現れる時代が、必ず来る』


 その時、ルナガディア王国に起こる奇跡。

 来たる終末奇、対等に戦う力を持つ救世主となる存在――『月の御加護』を受けた子が生まれるという伝説が、記されていた。





「伝説はあくまでも言い伝えだ」と王国内では信ぴょう性に欠けていると判断され、救世主となるであろう【月】の存在は信じられていなかった。


 しかし代々のルナガディア国王だけは違っていた。


 万が一、書物に記された終末奇が来てしまった場合に備え、様々な力(能力・魔力)を持つ優秀な騎士を任命。国を護る【七人の守護騎士】としてきた。



 守護騎士たちの役割について。


 王国の周りにある五ヵ所(星形)の森によって外部からの侵入を防ぐため魔法扉を創り、各森に配置。


 入り口となる扉を護りながら、各々(おのおの)が任された森の監視をする守人(もりと)の役目を担うのは、代々の国王が信頼できると任命した五人の騎士である。





『五ヵ所の森を護る、()()の騎士』

『王国内部と王宮の護衛をする、()()の騎士』


 国を護るためどの時代にも存在し続ける、七人の守護騎士。これまでルナガディア王国の未来はこの七人に、託されてきたのだった。



 長きに渡り平和な時代を送ってきた、ルナガディア王国。その護られてきたバランスは少しずつ崩れ……そして――終末奇の足音がひたひたと、聞こえ始めていた。


序章をお読みいただきありがとうございます。


次話より本編(学園編)の、はじまりはじまり~♪

ぜひぜひ! お読み下さると嬉しいです(◍•ᴗ•◍)

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