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必話01 消したい記憶 (夢)

お読みいただきありがとうございます。

♪こちらのお話は、読了時間:約2分です♪


(Wordcount600)


 ――これは私が見る、夢の話。


 うっすらと残る、辛い記憶(きおく)の話である。




(ダイジョウブ。マモルカラ)



 えっ、だれ?



(ナニガアッテモ)



 知ってる声? でも、思い出せない。



(…………テネ)



 あっ! 待って……行かないで!!



(……)




「――行かないでっ!!」




 ばさっ!


 ここで、いつも飛び起きるの。


「また、まただ……いつも」


――頭が……痛い。鈍く、痛む。


 心臓は、ドクドクと音を立て、胸はきゅーっと締め付けられるように苦しくなる。


 最近、よく見るようになった夢。


 正しくは、()()見るようになった夢、かな。



 怖くて、淋しくて、暗闇の中で怯えていると、温かい光と共に聞こえてくる【声】。



「あの声は……」


――誰なのだろう?



 でもそれ以上、分からない。


 夢の内容は忘れてしまうから。


「まるで、どこか遠くへ飛んで行ってしまったかのように」



 この夢を見たその朝は、涙が止まらなくなるくらい悲しい気持ちになる。



「まだお外、薄暗いなぁ」



 重たい心を持ち上げるように私はベッドから立ち上がり、窓へと向かう。



 カーテンをゆっくり開けると、外は雨が降っていた。


 強く降る雨粒が、ガラスをバタバタと叩く。



――気持ちが落ち込んでくる、今日の雨音。



「六月かぁ」

(私、このままでいいのかな)



 そう呟き、溜息をつく。



 立てかけている姿見鏡でふと、自分の顔を映す。


 瞳にはまだ、うっすらと涙が浮かんでいた。



――私の瞳は、色がないみたい。



「何かとても、大切なことを忘れているような気がする」


お読みくださりありがとうございます(*´▽`*)

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