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必話08 事件の真相(裏切り)

お読みいただきありがとうございます(*´Д`)

こちらのお話は、読了時間:約4分です♪


(Wordcount2000)


――あの事件は、消したい記憶(トラウマ)だった。


 人並みならぬ力(能力・魔力)の証である月の紋章を持ち髪色が美しいホワイトブロンドの女の子が生まれた、という情報が【悪】の耳に伝わってしまったのは、三日月が全属性の簡単な魔法を習得した頃(四歳)であった。



 現在、光の森キラリの“守人”である望月。


 守護騎士の任命された式典へ参加できた者は当時、選ばれた国民のみ。

 それでも多くの人々が祝福したあの日、七人の守護騎士が任命される式典が行われたことは国民全員が知る、笑顔溢れる話題であった。


 その危険を承知で守人の任務に就いた望月の出自を知る者、つまり式典へ参加した者たちは皆『望月様はルナガディア王国の第一王女』だと口外することは固く、禁じられていた。

 以降、望月の居場所はもちろん、その娘である三日月の存在自体、王国関係者でも知る者はごくわずか。



――皆の信頼で成り立っている、どこよりも平和な王国。



 しかしあの日起こった事件で裏切者の存在が、囁かれる。


 その後、三日月を襲った悪への調べで裏切り行為を行った者が判明し、捕まった。


 その者は残念なことに王国関係者で、王宮内部の人間。信頼もそこそこあり皆は「信じられない! 気さくで楽しく、とても良い人だ」と、口々に言っていた。


 その聴取では「突然、見知らぬ手紙が送られてきた。怪しいとは思ったが、その多額の報酬に目がくらみ、情報を流した。魔が差してしまった」と。


 それから、こうも話していた。


「自分でもどうしてこんな事をしてしまったのか……今でも自身の行動が理解できません。このような話をする立場にないことは重々承知していますが『魔が差す』と、私は文字通りまるで『悪魔が心の中に』入り込んできて乗っ取られた――そのような感覚でした」


 そう、表現した。


 しかし情報を漏洩させたことは、変わらぬ事実である。その大罪は二度と消えることも許されることもない。彼は今でも日々、後悔の念に駆られているという。



「時代は変化してゆくものです、国王様。それは自然も、力も、そして」


――人々の心も。


「そうだな、悲しいことだが」


「はい。しかし、やはり国を護り人々の未来を護っていくためにも、決断すべきかと。私はそのように考えます」


 国王側近の言葉は冷静かつ(まと)を射た言葉だった。目を瞑りしばらく考え込んでいたルナガディア国王は頷き、ゆっくりと目を開け厳しい表情で答えた。


「ルナガディア王国全体に結界魔法を。上級魔法師を集めよ」


 国王が苦渋の決断をした【結界魔法】とは――――不審な人物を王国へ侵入させないよう強力な防御力を持つ魔法を、星の森(五つの森)の入口にかけるというもの。

 もちろん各々(おのおの)任された森を守人たちは今まで通りの力で扉を護るため、護衛力は格段に上がる。


 しかしこの結界魔法、他国の者が自由に行き来できなくなる、というデメリットがあった。厳しい審査を受け許可証を持つ者だけがルナガディア王国に入ることができる、というシステムだ。


「国王様、お辛いとは思いますが。他国ではすでに進んでいる方法ゆえ、皆も理解してくれるはずです」


「あぁ、分かっている。この王国がこれからも平和であるために、必要なことだ」


 すぐに態勢を立て直し今後、同様のことが起きぬように。

 このルナガディア王国に二度と悪の侵入を許さぬように、と。


 より厳しい護りが星の森(五ヵ所)全体に、張られていった。


「それからもう一つ、せねばならぬことがあるのだ」


「はい?」


「先日襲われたという望月の娘は『月の御加護』を受けている可能性を持つ、との報告がある。結果違っていたとしても強き力を持つ――その奇跡を護るには」


 三日月の人並みならぬ力、そして浮かびあがる美しい月の紋章――。

 もしも今後、王国の危機が迫った場合にその救世主となりうる可能性を秘めた、三日月の存在。


「承知しました。これから先、私が全力で三日月様をお護りいたします」


 そう誓いの言葉を発したのは守護騎士の一人、ロイズである。国王からの信頼の厚い彼は、全ての力に長ける魔力・能力の持ち主。


 まさに適任であった。


 これまでも見つからぬよう注意していた望月の居場所、そして三日月のこと。

 それが今まで以上に隠された王国の機密事項として扱われ、特に三日月については全ての情報が、秘密厳守とされた。



 詳しく()()()()()()

 しかし怖い思いをしたという感覚は残っているという、三日月。


 そして今でも三日月は自身の心が信頼できると判断した者以外から、触れられることを、恐怖に感じてしまうのだ。


 嫌いになりかけて苦手意識を持ち続けていた魔力コントロールについては、この学園に入学してからの厳しい訓練のおかげでほぼ、乗り越えられた。


「もう、このままでも十分なんじゃないかなぁ」


 そう考え三日月は、現実逃避をした日もあった。



「でも、やっぱり。これはきっと、これからの私に……」


(あの事件で何があったのか? その出来事を全て知ることは)


――必要な、記憶(キオク)だ。


いつもお読みいただきありがとぉございます♪


『 関連のあるお話 』


~☆今回はこちら☾~

 ↓ ↓

第30部分

【必話02 消したい記憶 (事件)】


三日月が五歳のお誕生日を迎える前日に

【悪】に襲われた出来事(事件)の

様子がかかれています( ノД`)恐


☆----------☾----------☆----------☾


また読みに来てくださいネェ♪

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