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122 自己紹介

お読みいただきありがとうございます(*´▽`*)

♪こちらのお話は、読了時間:約4分です♪


(Wordcount2000)


 ロイズの目的がよく分からない三日月であったが聞いていた皆は何のためらいもなく、自己紹介を始めた。


「で、は、ま~ず! わたちからいこうかのぉん」


 一番に手を挙げたのは、大妖精ランスだ。


「我の名は、ランス。皆も知っての通り、ルナガディア王国の周りをぐる~っと護る五つの森、その全てを司る大妖精なのであ~る! ふにゃう~っふふ。得意なことと言えば……むふぅ! 王国全域、全方位からみ~んなに危険がないかのぉんとちらっちら~と視ていることぐらいかに。エッヘヘ〜ん」


 いやいやぁ~自己紹介とは意外と恥ずかしいのですぅ~んとにやけテヘテヘと言いつつ、実は今こうしている間もランスには森の全てが、視えているという。


「ぜ、全部分かるのですかぁ?!」

 三日月のお目めまんまるな驚きように周りからは、笑いが起こる。


「ぷぷっ、ちゅっきぃ~は本当にかわゆぅ(可愛い)のぉ~ん」

 話しながらランスは小さなお花を愛でるように三日月の頭を優しく、ナデナデ。


 こうして一見おちゃらけた印象の、ランス。


 しかし数少ない“大妖精”と名乗り生きる者、そう成りうる存在である。その裏には世に明かされていない知られざる力が隠されているというのは、有名な話だ。特にランスに関しては精霊妖精界でも一目置かれており、ひと際目立つ美しい容姿から伝わるオーラは、目を見張るものがある。可愛さと奇麗さを併せ持つ笑顔と少し変わった口調のギャップがまた、周囲を惹きつけていた。


「いいにゃ~、ちゃんちゃん終わりなんだなぁ♪」


 にひひ~と笑いながら話し終わると同時に突然、部屋の空間が『ピシッ』と音を立てるように変わる。皆の表情はグッと重く引き締まる。その情景を起こしたランスの眼光は鋭く、それ以上は語らぬと言わんばかりのオーラがひしひしと三日月にも、伝わってきていた。


 のほほ~んとした軽い調子の奥に見え隠れする、ランスの不思議な力――。


(ランス様って、本当にスゴイ人なんだ……)


 三日月が十歳の頃、出会った時の記憶。

 夢のような星域で動くランスはまるで同じ子供のようだった。しかし今、目の前に座り語るランスは星域で一緒に歌い遊んでくれた、優しい妖精とはまるで違う。


(ランス様が私と遊んで下さったり、お近づきになれたのはきっと)


「お母様の……おかげなのかな?」

 三日月はふと、小さな声で呟いた。


 シンと静まり返った重い雰囲気、その沈黙を破ったのは。


「おぉーう、そんなだったら俺もやっておこう!」


 なぜか気合十分で腕まくりをする素振りを見せながらそう言うのは三日月の父、ライトである。


「ふに~あぁ? ライト様もするかのぉ~うにひぃ~ん」


「えぇ、ランス様! もちろんですっ、ぅあっはっは!!」


(お、お父様の笑い声が……ちょっと面白い)


 三日月は父の一生懸命な姿に少しクスクスッと笑っていた。すると可愛い双子ちゃんのメルルとティルが、ひょこっと登場! そして何やら聞こえてくる声は?


「「ぅあ~はっはぁ~♪ (ライ)パパぁ~っはっは!」」


「おいこら~メルルにティル。そりゃあ、真似っこか?!」


「「キャッハーん!!」」




 セレネフォス家で家族同然に暮らし、大切に育てられてきたメルルとティル。


 三日月が生まれてから数日後に人形(ひとがた)へと変化(へんげ)を遂げた双子の妖精を見たライトの第一声は「なんて可愛いんだ! いやぁ、なんと一気に愛する子供が増えた」と、当時まだ王国騎士であったライトからは想像もつかない、見たことのないほどに顔はほころび、デレデレ。それからというもの、幸せと喜びを感じ浮かれながらも毎日が慌ただしく、あっという間に過ぎていった。


 そんなライトは三日月同様、メルルとティルのことも目に入れても痛くないほどに、可愛くて仕方がないのだ。




「では。うおっほん! 自己紹介とやらを。えぇ~、私の名はセレネフォス=雷伊都(ライト)である。かつては王国騎士として名を()せ、うーんそうだな。戦いにも参加していたんだが……ん~まぁなんだ。今は光の森キラリで護衛の任務に就き、そして愛する妻であり守人(もりと)として森と王国の安寧(あんねい)を願う、美しき姫――望月様だけの騎士であるぞ。とまぁ、このぐらいで良かろう」


 自画自賛してしまったなぁ~はっはっはと笑い三日月から、顔を逸らすライト。


 今は話す時ではないと思ったのか? 途中、何か言いづらそうに歯切れの悪い話し方になり三日月の様子を気にした後、口籠った瞬間があったライト。しかし人一倍の情愛深さを強調し、自己紹介は終了した。望月のこととなるとどんなに恥ずかしい愛情表現でも、言葉でも。躊躇(ちゅうちょ)なく、言う――それがライトである。


「うぁ~、お父様……」

(娘である私が、恥ずかしくなってきますよぉ)


――んっ? あれ今お父様は、お母様のお名前に“様”って?



「もぉ、ライトさんったら。こんな皆様の前で。困りますわ」


 ライトの大きな愛を受け取った望月は困る、と言いながらもその表情は幸せに満ち溢れ、頬を赤らめ嬉しそうに顔を両手で隠すのであった。

お読みくださりありがとぉございます♪

『 関連のあるお話 』ヾ(≧▽≦)ノ


~☆今回はこちら☾~


 ↓ ↓


第1部分【序章 ~始まりの時~】


大妖精ランスと三日月の父、雷伊都ライトのことが

多く書かれているのでしゅのでしゅるる~(/ω\)

ですので今回、関連するお話に選びましたぁ♪


☆----------☾----------☆----------☾


それでは(/・ω・)/

次話もお楽しみにぃ~ん♪

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