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さぶたいtr
それは僕におこるはずの不幸で
キミはただ笑ってるだけでよかったんだ
目の前で“なにか”が宙に舞った
一瞬の出来事のはずなのに、スローモーションのようにゆっくりと
目が合った気がした、焦点はあってなかったけど
心臓がうるさい
背中がキンと冷めた気がするし、喉がキュっと締まった
寒い汗が止まらないし、上手く音も聞こえないし
信じたくなかった
その“なにか”はさっきまで僕の隣で笑ってたはずなのに
僕はそれに駆け寄って抱きかかえる
そう身体が勝手に動く
心は目が合った瞬間で止まった
まだそれは温かかった
けっこう重かった
熱い液体が身体にしみこんでいく
ツンとした鉄のにおいと
油の匂いが混じり合っていた