表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
板垣死すとも!  作者: SABASSY
2/2

蚊ありと 井の中の蛙 跳ねる

ノー添削で、殴り書きで、いまだ登場人物一人だけの一人語り。

いやはや、読む方も修行僧になった心持ちかもしれませんが、

もう少し自分と向き合うためにもお付き合いください。

気がついたら38にもなっていた。

親がいつもぼやいてた「若いうちにしかできんことあるんやで、やれる時にやれることやっときねや」って

…と言われてもこの歳になるまで気がつかないこともある。


そもそも、38歳という年頃は若いのか中年なのか、ビミョーすぎる。

いやに人生の長さを痛感するお年頃なのである。


結婚してれば、子供もいて、その子育てにみんな忙しくって、そんな忙しい自分に夢中で、

自分の人生について気にしている余裕がないもんで、

子供の人生にバトンを回してしまうのだろう。


独身のおいらにはその権利もなく、お陰で虚しい奴らの標的にされてしまっている。


恋多き人生として、ここまで歩んできているのなら38歳独身ライフも少しは脚色もできるもの、

都会に憧れ、大学生活を満喫した後、さっさと田舎に舞い戻り、

零細企業の跡取り息子して狭い世界で生きてしまうと、周りの平均年齢はガクンと上がってしまうものである。

いやはや、結婚は墓場というが、田舎ではまさに結婚=墓守りという観点しかない。


だからこそ、と少しでも良い条件を探すお見合いレースも開催されるのだが、

親だけが盛り上がってしまうあの風習にシラけてしまう現場という状況に耐えきれず、

ここ最近はさっぱりそういう色事から遠ざかってしまっている。


なのに、思いがけずこういうイベントに色気を出してしまった自分が悪い。

あの頃の自分に戻れると思って参加したのが悪いのだ。


「あの頃に戻りたいと思ってるんだなぁ、俺」


言葉にすると、すごく胸くそ悪い。

事実だけに、胸くそ悪い。

忘れた頃に、耳元にやってくる蚊の羽音にもイライラが募る。


「そもそも変わるといいつつ変われないと思っている俺ってなんなんだ。」


とりあえず、思ったことことを口にする。

自分の声で、蚊の羽音を打ち消して少しでも苦虫をかみ殺すことにする。

お陰でイライラはしない、だけどしょんぼりしてしまう。


昔は学級委員長だったのに、とか言い訳がましく考えて、

所詮井の中の蛙だったと実感し、大人になったもんだと自嘲した。


でも、ふと考えた。

いつから大人になったのだろう?


あいつらは確かに子供ができて親にはなった。

俺はいつまでたってもあの頃のおぼこい俺のままで、大人になった線引きができずにいる。


なら、とはたまた考えた。

大人じゃないんじゃないだろうか?


オトナな儀式は、東京で済ませてきたとして、

成人式もこの地元の交流会館で地味にやった。

その結果、昔みたいに悪いことしても許してもらえなくなった。


けど、大人だから諦めろとは何も言われていない。

そうだよ、大人だから、昔が井の中の蛙だったから、

今はもっとちっぽけな存在だと気付けと言われた覚えはない。


「大人だから、わかるよな?」


口に出せばわかるやつやん、これって悪いことする人が使うやつですやん。

そう、大人だからわかる奴なんてろくなもんじゃねー。

大人らしく、おとなしくする義理はない!


蛙なら蛙らしく、飛んで跳ねてしてみよじゃねーか!


そんなことを考えて布団から飛び上がってみると、

夜風がそっと汗を拭った。


飛び起きた田舎ガエルに恐れをなしたのか、気がつけば蚊の音も気にならなくなっていた


想定では、まだ飲み会後から4時間ほどしか経っていません。

そして、経験あると思いますが、

自己反省会からのデカイことやったるぞぉ!っていう空回りしだす頃合いです。

板垣大助、大海を知らず、で知らぬままでは終われない、という境地ここにありという状況で次回に続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ