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2話 初対面でいきなり仲良くなれる人ってすごいよね

そして約束の時間。

ラッピングしたアイスボールクッキーを手に俺は公園へと向かった。

着いた頃には既に公園のベンチに高校の制服を着た女の子が座っていた。

俺が通っているとことは違う、別の高校の制服だ。

ほんのちょっと遊具があるだけのこじんまりとした公園には彼女以外に人はいない。ということはあの子が石川さんか?

公園に入ると俺の存在に気づいた女の子が近づいてきた。


「クッキーの人ですか?」

「そうですけどーーー」

「うわ〜! 写真で見た通り美味しそ〜!」


石川さんですか?と聞こうとしたところを遮るように喋り始める石川さん(仮)

あ、これもしかして俺が苦手なタイプの人間じゃ...


「ていうか同い年っぽいね? 男の子でこんなの作れるなんて意外! てっきり女の人が来るものかと思ってたよ〜」


うん、よく言われる。

何が趣味かと聞かれて素直に答えたら「女子か!」とか言われるのに嫌気がさして、最近はネットサーフィンとかテキトーに答えることにしてるけど。


「ねぇねぇ、どこの高校なの? 近い?? イケメンとかいる???」

「うるさい声でかい質問は一つずつしろ」


初対面の人間には敬語で接するようにしているのだが、この石川という女に対しては会って数十秒で敬語使うのをやめた。俺史上最速かもしれん。

初対面なのに馴れ馴れしすぎだろコイツ...


「あーごめんごめん。そういやまだ名乗ってなかったね。あたしは石川 心暖(いしかわ こはる)。君は?」

「...甘木涼あまぎ りょう

「涼くんか〜。よろしくね〜」


それからしばらくは立ち話をした。

どうやら石川も家の事情で一人暮らしをしているようだった。

それとやっぱり俺とは違う高校に通っている模様。

俺が通っている高校から反対の方角にあるところだとか。

いや、話なんていいからとっとと終わらせて帰りたいのだが。


「それにさ〜」

「ごめん、俺そろそろ帰るから」

「あ、クッキーありがとね〜! いつかお礼するから〜!」

「いいよそんなの」


立ち話がなかなか終わる気配を見せなかったため、俺は半ば強引に引き上げることにした。

初対面からやたらと距離が近い人間の相手は疲れる。

対応がめんどくさいから関わりたくないタイプだ。


「やっぱ苦手だわ、ああいうの」


歩きながら1人、そう呟いた。

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