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1話 ネット販売の摸写はこれで終わりです

12月中旬、学校が終わり家へと帰宅する。

一人暮らしのアパートのドアに手をかけると既に鍵は開いていた。

泥棒か?

そのままドアを開けて玄関に入ると...


「おかえり〜! ご飯にする? お風呂にする? それともーーー」


泥棒.....ではなく女子高生が出迎えてくれた。

なぜこんなことになったのか?

話はしばらく前に遡る...



「よし、こんなもんだろ」


自室のベッドに横になりながら、俺はスマホでインターネット上のフリマアプリの出品ページで写真や紹介文を適当に掲載し、出品ボタンを押した。

出品したのは自作のクッキー。

インターネット用語じゃなくて、お菓子のクッキーだ。間違えないように。


俺ー甘木 涼(あまぎ りょう)ーはお菓子作りが趣味だ。

といってもめんどくさいから材料混ぜて焼くか冷やすかしてすぐできるようなものしか作らないし、本当に気が向いた時だけしかやらないけど。

今回インターネット上のフリマアプリなどのショッピングサイトで自作のお菓子を売ったりすることができるということを知り、思い切って挑戦してみることにしたのだ。


俺は家の事情で高校生でありながら一人暮らしをしている。

親からの仕送りはあるため別に生活費に困っているというわけでもないのだが、少しでもお小遣いが稼げるかもしれないというのがこんな身分の人間にとっては魅力的な話だった。


こういうのはクッキーなど日持ちするお菓子を出した方がいいだろう。

俺のようなめんどくさがりにとってはネット販売は都合が良い。



数時間後、スマホの通知が鳴った。

手に取って画面を見る。


『KOHARUさんが【手作り☆スノーボールクッキー】を購入しました』


そこには出品したクッキーが売れたことを知らせる通知が表示されていた。

マジか、こんなに早く売れるとは。

フリマアプリを開いて取引画面を表示させる。


『美味しそうなので買いました! よろしくお願いします〜』


購入してくれたKOHARUさんからメッセージが届いていた。

もう既に支払いなども全部済ませているそうだ。

画面には相手の名前と住所が表示されている。

”石川 心暖”と名前には書かれている。


後はこの住所に作ったクッキーを送るだけ....と思いきや。


「あれ? これ近所じゃん」


そう、この石川さん、住んでるとこが俺と同じ地区だった。

これアレだ、普通に発送したら無駄に時間がかかる上に、送料も取られるわけだ。

じゃあ、いっそのこと直接手渡しした方が良いかもな...

もちろん相手がオッケーすればだけど。


俺は取引メッセージでその旨を提案してみた。

すると石川さんからはすんなりと承諾をもらえた。

今日中でもいいとのことなので、夕方に近くの公園で渡す約束をしてやりとりを終えた。


「そういや直接手渡しなんてやったことねぇ...」


自分で提案しときながらなんか緊張してきた...

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