表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

〜8通知目・通知と約束〜

 〜8通知目〜


 俺は半分眠い眼のまま片手でスマホを操作しながら、もう片手で囓りかけのトーストを持っている。

 昨日はあの後何も無く、そのままゆっくりと朝まで寝ていた。そのおかげか、今日は目覚ましが鳴る数分前に目が覚めた。


 そういえば昨日来ていた通知が消えたかどうか確認してなかったな、と思って通知欄を開いてみる。

 あった、まだ消えていない。まだ何かする必要があるのか、と思っている時点でもう既にこの現象に慣れてしまっている自分に気付いてほんの少しではあるが驚く。その瞬間。


 シンからメッセージの通知が来た、と同時にその通知が消えた。よく分からないタイミングで消えたその通知に少し疑問を感じながらも今来たメッセージの通知の方へと目を遣る。

 [おはようございます、鼠谷です。今日の放課後に少しだけお話があるのですが大丈夫ですか?]

 話があるって何なんだ…まあ、俺は別に構わないが。

 [おはよう。別に構わないよ、場所は?]

 返事を返す。

 [武道場の裏手側でお願いします。]

 程なくして返ってくる。

 [OK、了解。]

 俺は特に考える事も無く、二つ返事でそれにOKを出した。


 ふとスマホの時刻表示へと目を向けると…

 「うわっ、そろそろ出ねーと…!」

 ちょうどいつも出る時間になっていた、危ない…。

 俺は片手に持っていたトーストを急いで口へとねじ込み、そばに置いていた鞄を手に取って素早く家を出る。


 「えーっと…歩いてても間に合うな…」

 再びスマホに視線を落とし、時刻を確認するとそう呟いて歩き始める。

 その時、

 「おーい、ユウ!」

 不意に後ろから声が飛んできた、振り向くと

 「おーカズ…って、どうしてここにいるんだよ…」

 「いやぁ…ちょっとばかし早く家を出たからさ、少し話でもしながら一緒に歩くのも良いかなって思ってさ?」

 「はいはい、要は気紛れってことな…」

 俺は適当にカズをあしらいながらペースを保って歩く。


 「それで、昨日送ってくれた石の話なんだけどさ…」

 思わず少し反応する、片耳だけ相手の方へと無意識に向けていた。

 「なんつーか…クリスタル、って感じだよな! ゲームとかだったら絶対重要アイテムだろ…」

 楽しげに話し出すカズ。

 少し期待した自分がバカらしく感じて、少し足を速める。

 「あっ、おい、待てって…!」


 そのまま話しながら、カルガモの親子のように一歩後ろを歩くカズ。

 俺はまだ続くそのゲームトークを適当に聞き流しながら、パズクリを開いてそのまま学校へと足を運んだ。

 もちろん、周りには気を付けながら、だ。




 〜9通知目に続く〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ