〜6通知目・事故現場〜
〜6通知目〜
キーンコーンカーンコーン…
教室中、学校中に今日の放課を告げるチャイムが鳴り響く。
やっと終わった…今日は早く帰って、夜はちゃんと寝るか…
「おーいユウ、支度終わったら校門で集合だかんな!」
…眠気ですっかり忘れてた、実地検証?だかやるんだったな…
俺は少しボンヤリする頭を覚まそうと数度左右へ振って、荷物をカバンへと突っ込み始めた。
荷物を纏め終えると俺は早速校門へと向かうために教室を出た。
途中ふと隣のカズのクラスの教室を覗いたが、既にカズはそこには居なかった。もう向かってるのか、俺も急いで向かわねーとな。
そして場所は校門へと移ったが…
「あれ、カズとケイ、まだ来てねーの?」
そこに集まっていたのはレン、ライの二人だけだった。
「うーん、ケイくんは今向かってるとこって連絡が来たんだけど…」
「カズからは連絡返って来ないんだよな…」
「それ、きっとドタキャンされるよな…」
「多分そうだね…」
その時、
「やあ、お待たせ。カズくんはまだ来てないのかい?」
「あー、来れなくなったっぽいぜ…?」
レンがチラリと自分のスマホに目を遣りながら応えた。
多分、ライに送ったら何か言われると思って個別にメッセージを送ったんだろう。
「そうか…全く、カズくんの方から任せろと言ってきたのに…」
俺はこっそりとレンの方に寄って聞いた。
「何てメッセージ来たんだ?」
「え、あ? いや…ちょっとピンチヒッターで呼ばれたんだってさ…」
なるほど、それならあまり怒れないな…ならライにも送れば良かったのに、と少しは思ったが飲み込んだ。
「よし、じゃあ行こうか…案内よろしく頼むよ、ユウくん」
「そうだな、俺しか現場まで行った事ねーし…」
そして俺らは学校を後にし、現場へと向かい始めた…
程なくして俺らは現場に到着した。昨日そこにあった車は無くなっていたが、すこしの痕跡はそこに残っていた。
「なるほど、ここが現場か…」
ケイがボソリと零した。
「確かに、昨日見た証言の通り急ハンドルを切ったみたいだな…」
そう言ってレンは、地面に残ったタイヤ痕へと寄る。それに加えて、辺りには小さなガラス片のようなものも飛び散って残っていた、恐らく車のものだろう。
「…ん、何だこれ…?」
そのガラス片を見ていると、その中の離れた場所に一際大きいのを見つけた。寄ってみると、更に不思議な事に気が付いた。
「明らかに大きい…それに…」
そのカケラはガラスの分厚さよりも大きくて、僅かながら虹色のようだった。
「…車に乗ってたガラス細工かなんかか…?」
その時、不意にケイに話しかけられた。
「ユウくん、何か見つかったのかい?」
「いや、特には無いな…」
俺はポケットにその石をねじ込んで応えた。
「そうか…レンくんの方も、特に気になる事やおかしい所も見つからないって言っていたよ」
「うーん、じゃあ今日のところは解散か…?」
「そうなりそうだね…」
そのままレンとライとも合流して少し話したが、特に情報も得られずに解散する話になった。
その時に拾った石について特に何も話す事はなかったが、話しておけば少しは事態が進展するかもしれなかったのに…
〜7通知目に続く〜