〜4通知目・その狐獣人〜
〜4通知目〜
「ねみぃ…」
昨日は二度も変な通知が来るし、マジで事故りかけるしで夜は考えすぎてなかなか寝付けなかったわ…
「おはよ〜ユウくん…って、すごい眠そうだね?」
「おう、ライ…ちょっと昨日寝付けなくてさ…」
「あ、もしかして昨日授業中に寝てたから?」
「あっ…それもあんのかもな…」
そういえばそんな事もあったっけな…他の事が濃すぎて忘れてたわ…
「おいおいユウ、しっかりしろよ〜?」
「レンくんはもっと自分のこと見直してからそういう事言おうか?」
「いやっ、だって、俺だって自由に発言を…っていだだだっ、だから耳取れるって!」
「人の振り見て我が振り直せ、って言葉は知らないかなぁ?」
もうなんか…この光景も一年以上見て見慣れたな。
「おーいユウ!」
突然教室のドアの方から俺を呼ぶ声がした。
その方向を見ると…
「お、カズじゃん…どーした?」
「昨日のあの事故さ、ニュースのまとめに上がってたんだけど…見てくんねぇ?」
「ああ、良いけど…どうしてだ?」
「見たら分かるって…ほら、ライもレンも来いよ!」
「なになに、お前ら事故見たの?」
俺ら三人は全員ぎゅうぎゅうに寄って、カズのスマホ画面を見つめる…
「時刻や場所は…確かにあの場所あの時だな…」
「そこは良いんだよ、見て欲しいのはその次だっての!」
「はいはい…何々、運転手の証言で突然目の前に狐人が現れ、急ハンドルを切ったと…証言を元にその狐人の見た目を描いた…?」
「ユウくん、これって…」
「…あぁ、これはどう見ても…」
そう、俺にまるでそっくりな見た目だった。
「カズ、ユウと一緒に届け物してたんだよな…?」
「あぁ、俺はずっとユウと一緒に居たからこれはユウじゃない…」
「なんなんだ一体…」
「もしかして、世界に三人は居るって言うドッペルゲンガー的な奴か?」
「それじゃもし出会ったら、ユウは消されちまったりすんのか?」
「カズくん…流石にそれは都市伝説の域だよ…」
「とにかく、この現場に居たのは確実に俺じゃない何者かって事だな…」
「そんじゃさ、その人物を俺らで突き止めよーぜ!!」
「いやいやレンくん、何言ってるのさ…」
「えー、面白そうじゃん!やろーぜやろーぜ?」
「カズくんまで話乗らないでよ、ややこしくなる…」
「じゃーさ、ユウ本人の意見で決めようぜ?」
「えっ、お、俺…?」
「まぁ…ユウくん自身が決めるなら…」
マジかよ、このタイミングで俺任せって。
「俺は…」
正直なところ、俺もかなり気になっている事でもあるから解決したくはある。
ただ昨日の朝、下校中の通知がどうも引っかかってしょうがない。何か、触れてはいけない物がそこにある気がする。
…でも、このままずっとモヤモヤさせるのは気持ちが悪い。
「…この人物を、突き止めよう。」
「ユウくん、本当に良いの…?」
「あぁ、俺も気になるしな」
「よしっ、そんじゃ狐塚探偵団結成だな!」
「レン、それ良いな!」
「あーもう二人とも…ほらほら、もうチャイム鳴るしカズくんは教室に戻った方が…」
…と、その時ちょうどチャイムが鳴った。
「やべっ、じゃあまた昼か放課後な!」
カズは文字通り、脱兎の如く走って教室へ戻って行った…
さて、今日は授業中に寝ないようにしないとな…
〜5通知目に続く〜