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〜2通知目・昼休み〜

 〜2通知目〜


 午前の授業が終わって、昼休み…

 「あ゛ー…数学わかんなさ過ぎ……」

 直前の授業で出てきた謎のアルファベットやら数字やらの羅列を思い出しては頭の中で渦巻いては眠くなる。

 軽く目眩を覚えて顔を伏せた俺の元に、今朝俺と会話をしていた2つの影が歩いてくる…

 「ユウ、学食行こーぜ!」

 「ん、おう…」

 「相変わらず数学が苦手みたいだねぇ…?」

 「うるせー、相変わらず俺は馬鹿ですよーだ…」

 「ほらほらユウくん、拗ねてないで元気出して?」

 「さ、食堂行くぞー!」

 俺は2人に半分引きずられるような勢いで食堂へ連れられた…



 「んー、やっぱここのラーメンって美味いよな…!」

 「あぁ、そうだよな…」

 「でもねぇ、レンくん…毎日ラーメンばっかり食べるのは流石に健康的とは言えないと僕は思うよ…?」

 「平気平気、その分動いてるしさ!」

 「でも流石に、良くないと思うよ…?」

 2回目の『流石に』を念押しで強調して言うライ…やっぱオカン気質…

 「あーもう、昼飯ぐらい好きに食わせてくれても良いだろ?」

 会話をしながらなのにレンは器用に食べ進めている…そういうスキルが時々羨ましくなるわ…

 その時、

 「やぁ、ユウくん?」

 突然後ろから声が掛かって来た。

 こいつは隣のクラスの鶏内かいち 圭吾けいごだ、1年の頃の俺のクラスメイトでもある。

 「おー、ケイ、どうした?」

 「いや、他の席があまり無くてね…良ければここに座らせて欲しいんだけども。」

 そう言うとケイは4人がけテーブルの俺らを除いた残りの1席を軽く指差した。

 「俺は良いけど…」

 「勿論僕らも構わないよ、ねぇレンくん?」

 「おう、ケイなら全然OKだぜ!」

 「…つか、同じA組の奴らと食わねーの?」

 「ああ、今日はちょっとそういう気分じゃなくてね…」

 「そうなのか…?」

 「あぁ…それじゃ、遠慮なく…」

 そう言って椅子を引いて腰掛けたと思えば突然、

 「…で、ユウくんは最近どうだい?」

 「突然何だよ…どうって、何がだ?」

 「勿論、勉強の話だよ。」

 「んぐふっ…!?」

 食べながら返答していたせいで、俺はケイの言葉に思わずむせてしまった…

 「順調に進んでるのかい?」

 「ま、まぁな…」

 俺はつい視線を逸らしながら答えた…

 「ダウト、ユウくんさっき数学の授業で頭パンクしてたでしょ?」

 「うぐっ…」

 「そうそう、頭から煙も出てるくらいにさ…?」

 「うぐぐ、レンまでそんな事言わなくても…」

 こうやってみんな揃ってイジりに来るのは非常にやめていただきたい。特にレン、お前にだけは言われたくない。

 「あはは、相変わらずみたいだね…?」

 「うー…仕方ないだろ、分かんない物は分かんないんだしさ…」

 「あはは、ユウくんあからさまに動揺してる?」

 「そ、それよりケイはあのゲームって今どんな感じだ?」

 「あぁ…パズルクリーチャー、パズクリだったっけ。」

 「ほんと、ヤバいくらい流行ってるよな…」

 「そうそう…登下校中とかも結構やっちゃってさ、つい今朝とかも…」

 そこまで口にして、俺は今朝の事をふと思い出した。

 思えば、ちょうどその時もパズクリをしてたよな…

 あれは本当に何だったんだろうか…

 「僕はやっと昨日ランク70まで行ったよ。」

 「おー、結構やってんなケイ。勧めて良かったわ! ちなみに、俺はもうすぐランク100だったはず… それに配信されてまだ間も無いのに、結構ゲームバランス整ってるしさ?」

 「おう…そうだよな…」

 「レンはどのくらい進んでんだ?」

 「え、あ、お、俺…?」

 「ん?どうした、レン…?」

 「あぁ、いや、な、何でもない…!」

 「あ…もしかしてずっと放置してるとかじゃないの?」

 「ぎ、ぎくっ…」

 「だって、俺はそんなにハマんなかったし…」

 「なるほど…」

 「まぁ、そういうのって人それぞれだしな…俺は無理強いとかは別にしないけどさ。」

 「お、おう…悪りぃな…」


 するとケイが不意に立ち上がった…

 「あ、ケイ…どうした?」

 「もうすぐ時間だからね、ユウくん達もそろそろ教室に戻ったらどうだい?5分前行動は基本だよ。」

 「ケイくん、ホント真面目だよね…それに比べてレンくんは…」

 レンに視線を移すライ、これはまさか…

 「な、なんでこっち見んだよ…」

 「もうちょっとしっかりしな…さいっ!」

 出ました。ライの伝家の宝刀、高威力デコピン。

 「あだぁっ…!?」

 レン、めちゃくちゃ仰け反ってますが…

 「ライのデコピン、マジで破壊兵器過ぎ…」

 額を押さえて軽くさすりながら起き上がるレン…

 「ライ、それはやり過ぎじゃ…」

 いつもの事とはいえ少し心配になるな…と言ってもデコピンは滅多に出ないけども。

 「たまにこのくらいしないとレンくんには効かないから大丈夫だよ…」

 「そ、そっか…」

 たまにはレンの事いたわってやらねーとな…

 「ほらほら2人とも、早く授業行かないと遅れるよー?」

 気づくといつの間にか食器を下げたライが傍らに立っていた…って、いつ食器下げてたんだよ…

 「ほら、俺らも下げて行くぞ、レン…!」

 「お、置いてくなって…!」

 少し赤くなった額を押さえながら食器を下げるレン…

 そして俺らは教室へと戻っていく人の波へと合流していった。


 〜3通知目に続く〜

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