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転ゴリ  作者: Cafe院
1/3

ウホッ

「ウホッ」

間抜けな声だった

自分が発した声と思いたくない程だ


寝起きでぼーっとしている

どうしてか外にいるようだ

なぜ俺は外で昼寝などしていたのだろう

ニートである俺が外で寝るなんて

中学校の昼休み以来だろうか


起き上がり周辺を見渡すと

そこにはジャングルが広がっていた

もしやこれは世に言う異世界転移というやつでは?

いまだ思考が晴れないながら少しワクワクしてきた


だいぶ目が覚めてきた

寝ぼけていたとはいえ外にいるだけで異世界とは我ながら随分とファンタジーな頭をしていたものだ

これはあれだ、うん

家族に家から強制的に追い出されて寝てるうちに森に投げ出された、的なやつだ

なんか爆弾配られてサバイバルする漫画がそんな感じだった気がする

いらないやつだから投げ捨てられたって感じだな

うんうん

俺でも立場が逆ならそうするかもしれん

て、え?

絶望的じゃね?


まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ

まだわからんし?(困惑)

まだ慌てるような時間じゃないし?


とりあえずジャングル歩いてみよう


枝葉をかき分けながら進む

木々の間を抜け広い空間にでるまでさほど時間はかからなかった


あれ?


そこには弧を描くようにドーム状になった鉄の棒が並び、その棒と陸地の間には大きな溝と池がある


え?


鉄の棒の並びが柵であることは一目瞭然であった

さらにはその奥から何人かの人がこちらを見ている


思考が巡る

どういうことなのだ、と

ついに人間が人間を檻に入れて鑑賞する時代がきてしまったのか

ニートし過ぎて人権でも剥奪されたのか

それにしても唐突過ぎやしないか

ネットニュースにはそんな記事・・


言い知れぬ不安に押しつぶされそうになりながらも外から見ている人たちをみてみると

そういった様子でもなさそうだった

どことなく好奇心のある目でこちらをみている

なにか珍しい動物にでもなった気分だ


それでも不安は消えない

どういう状況なのか知るべく

声をかけようと右手をあげ

呼びかけようとすると恐ろしいものが視界に入り

頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った


手が真っ黒なのである


えっ??

は??

な??


身体を見渡してみると

黒い毛に覆われ、指先まで真っ黒である


思考が追いつかない

心臓が高鳴る


自分の顔を確認したい好奇心を抑えきれず

池の方に向かってしまう

見たくない、見たい、見たくない、認めたくない

ゴ・・、いやぁまさかそんな ねぇ?

特殊メイクか何かでそう見えるだけでしょ

そう 顔を見てしまった時の言い訳を考えながら

池を覗き込む

「ウホッウホホッホ(ゴリラじゃねぇか)」



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