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双子の片割れに愛しすぎて困っています  作者: です。まっすん
修正前です消すかもです
30/35

25.50 紗貴0

「・・あのね。友里香ちゃん。」


 沈黙を破るように紗貴が語り出す。

「私は友里香ちゃんに告白されて・・嬉しかった。自分をそう思ってくれてることは嫌じゃないし・・。」


 俯く友里香をよそに紗貴は続ける。


「私はどんな形であれ、人を好きになることは素敵だと思うし、どんな形があってもいいと思う。」

 紗貴は「現に、私は双子のお兄ちゃんが好きだし。」と、いたずらっぽくはにかむ。


「だから、私への友里香ちゃんの思いは大切なものだと思うし、特別だと思う。」


 紗貴は友里香の背中をさする。

「だからね、友里香ちゃんは私にとってのナンバー1でもないしそれ以下でもないの。」


「私への恋の先客は春翔だから。・・・・その・・・ごめんね。」


 自分は今、逃げたと紗貴は確信した。

きれい事で流し、友里香の気持ちを無視していた気がした。

 本当は断りたくなかった。

友里香への好きは違うもので、できれば今までの関係でいたかった。


 そして紗貴は一つの考えに行き着く。

 「自分はずるい」と。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 友里香は顔を上げた。目尻には涙を溜め、一粒また一粒と肌を滑らす。


「ごめんね。紗貴。」


彼女は達観したようで諦めきれないようで、様々な思いが交差しているようだった。


 そんな、友里香に紗貴は思いっきり抱きついた。初めて友里香を守りたいと思った。自分の行いを呪った。

 まるで子供のような友里香を見たくなかった。


「紗貴・・。ごめん。一回だけ・・・・・・・。」

「きゃっ!」


 友里香が紗貴を押し倒し、唇を奪った。

しかし、紗貴はそれを受け入れ、二人の接吻は長く続いた。


「ぷぁっ」

二人は唇を離し、互いに確かめるように視界を交わらせた。


「ごめんね紗貴。」

 謝り続ける友里香の顔は紅潮していた。

そんな友里香に求めるように手を伸ばそうとする・・・・・が、


ガチャリとドアが開き、春翔が入ってきた。


 守りたい自分と守られたい自分。紗貴はその狭間で迷い続ける。

 

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