18 頼む、ハッピーエンドにしてくれ
「春翔・・・。」
紗貴は頷く
その頬には、再度涙が伝う。
「私も・・・私も春翔のことが大好き。」
紗貴は俺に向かって微笑む
「紗貴・・・」
俺は紗貴へ唇を近づけていく
紗貴も求めるように唇を突き出す。
これで、俺達は結ばれた。
これから、どんなことが起きても俺達二人で乗り越えていく。
俺はそう確信した。
の、だが・・・。
トン・・トン・・・トン・・トン
!?
階段を誰かが登る音が聞こえる。
俺が扉の方向を確認すると、扉が開けたままということに気付く。
親父が扉を開けたままこの部屋を去っていった!?
目を瞑り唇を突き出していた紗貴も誰かが階段を上ってくる音に気付いたようだ。
「ど、どうする」と紗貴が焦りの表情を浮かべながら俺に問う。
やばい。これはまずい(本日3回目)
俺が対応策を考えている内にも足音が近くなっていく。
「あ、あの・・・春翔?・・・この体勢をどうにかしたほうが・・・。」
「お、おう」
確かにこの体勢はやばい。
俺は急いでベッドから離れようとした。
「あっ」
ズルッ
!!!!!
紗貴の足に引っかかってベッドから落ちた。
ドテッ と音と同時に頭部に強い衝撃が走る
「っ!!」
徐々に視界が狭まっていく・・・。
「う・・・う~ん」
視界がぼやけて、いまいち周りの状況を把握できない
「ん?目覚めたか」
男の声が聞こえる
「親父?・・・」
俺はゆっくりと体を起こす
「痛っ!」
頭部が痛む
「大丈夫か?」
親父が俺の背中に手を添える
「あ、ああ大丈夫・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらくして、俺が落ち着いたところで親父が話し出す
「春翔、お前ら何をやっていたんだ」
「二人で愛を確かめていました」なんて言えないし・・・・。
俺が口をつぐんでいると親父がため息をつく
「俺が階段を上っている時に大きな音がしたから急いでお前らの部屋に行ったらお前は気絶しているわ、紗貴が泣いているわで大変だったんだぞ」
「す、すいません・・・」
と俺は謝るが、紗貴は・・・
「・・・・・。」
椅子に座って、口を膨らませながらそっぽを向いている。
他人にキスの邪魔をされて、不機嫌なのかな?
「それじゃあ俺は下にいるから」
と親父が言いながら部屋を出ていく
「あ、そうだ」と何かを思い出した様子の親父が俺達に言う
「8月頃に友里香の家と一緒に旅行に行くことが決まったから、3人で行きたい所決めといてくれ」
「「え?」」
新キャラについては次話の前書きで説明するかもです




