15 初めてのこと。
や、やばい。この部屋にいるとヤ、ヤられる!!
俺は冷静を装い答える。
「ちょ、ちょっとてテレビを見に・・・。」
「今は、春翔が見そうな番組はやってないよ?」
え?まじで?
と、不意に紗貴が掴んでいた俺の手を引く。
「うおっ!」ドテッ
俺はバランスをくずしてドアの近くにある自分のベッドヘと転ぶ。
「紗貴!危ないだろ・・・。」と言いかけたところで紗貴が俺に飛び乗ってきた。
「ぐふっ」
今日、紗貴にダイブされるの二度目なんだが。
俺が呑気なことを考えている内に紗貴が母親に見られた時のような体勢になっていた。
「フフフ・・・。」と、不気味な声を出しながら紗貴が俺に顔を近づけてくる。
に、逃げなければ!!
しかし、上に乗られているので、うまく動けない。
しかし、この間にも紗貴が唇を近づけてくる。
こ、このままでは、、、。
俺は必死に考える。
••••••••••••••。
そうだ!腕だ。腕がある。
しかし、紗貴の方が早かった。両手首が掴まれ、ベッドへ押し付けられる。
やばい。これは詰んだ。
「ちょ、ちょっと待て!」
「待たない♪」
紗貴の唇が近づいてくる。
俺は間一髪、顔を逸らしてキスを回避する。
が、紗貴の唇は俺の首へと直撃。
~~~~~!!!
いままで感じたことがない刺激が全身を駆け巡る。
「くっ!!」
「ふふっ♪いつも冷静な春翔がこんなに焦っているの、初めて見た♪」
「お前のせいでな。」
「今度は外さないよ」と、紗貴が再度、唇近づけてくる。
今度は回避できない!
ガチャ
?
ドアの近くに父親が立っていた。
\(^o^)/今度こそ終わった••••。
父は母みたいにアホではないからごまかせない。
「・・・・・・・。」
父は険しい顔で俺と紗貴を見ている。
「「「・・・・・・。」」」
しばらく沈黙が続く。
「お父さん帰ってきたんだ~気付かなかったよ~」
と、紗貴が俺の拘束を解かないまま父へ話かける。
「あぁ、今帰ったところだ。」
「冷蔵庫にご飯があるってお母さんいっていたよ~」
「わかった」と言い部屋を出ていこうとする父。
ちょと待て、俺たちの体勢を見て何も思わないの!?
すると、父は振り向き俺達に言う。
「喧嘩はほどほどにしておけよ」
「はーい」と紗貴が適当に返事をしている。
???
これは•••。
父親も•••アホだった•••?
確かに、親は俺達を同室を許可しているし•••。
俺の親は両方アホだったのか!?
こんな状況の俺達を見て「仲がいいわねぇ」や「喧嘩はほどほどにしておけよ」なんて言うなんて頭がおかしい奴だな!?
俺が混乱していると紗貴がニコニコしながらこちらを見る。
「今度こそ、邪魔者がいなくなったね。」
はっ!! 親父がいなくなったから、この部屋には紗貴と俺しかいない!?
これはやばい。先ほどは親父が来たから一時的に助かったが今度は防ぎきれない。
俺は話を逸らそうとする。
「な、なんで紗貴はそんなに俺とキスがしたいんだ?」
「春翔が好きだからだよ。」と即答されてしまう。
「な、ならキスじゃなくてもいいんじゃないか?」
「へぇ~キスじゃなくてもいいんだ」
紗貴が妖しく笑う
「なら、ヤっちゃう?」
紗貴は俺に胸を押し当てて顔を近づけてくる。
紗貴を本気にさせてしまった。と俺は後悔する。
「私、春翔のこと大好きだから•••。」




