08 えぴろーぐ
最初はどうなるとか思ったけど、やってみると意外と面白い職だった。
世間が世知辛いのが嫌だったけど、それなりに付き合えば問題無かった。
結局、布団叩きでスライム討伐はやれたけど、ゴブリンは無理だった。
両手に布団叩きを持ってがむしゃらに叩き、何とか倒した頃には10本も消費していた。
その点、スライムならば1本が朽ちるまでにかなりの量の討伐がやれ、コアの入手もかなりやれた。
実はスライムのコアとテペを練り合わせると、風味豊かなジャムになり、それをクッキーに挟んだら新しいお菓子になったんだ。
もちろんそれも登録し、今ではかなりの数の登録になっている。
巷の職ではやれないアイテムを組み合わせた商品が次々と登録出来、情報掲示板ではそれについての話で盛り上がっていた。
そんな訳で、レベルはまだ8だけど、資金はかなりになっていたんだ。
ああそうそう、例の彼女の話だけど、つい最近やっと見つけたんだ。
そうして同じギルドの人と話をすると、どうやらギルド資金の一部だったらしく、彼女の責任問題になっていたとの事。
当時の事情を話し、彼女には内緒で返却しておいた。
さすがに猫のノミ取りの話ではかなり引かれ、同情もあって変な追及は無かったのが幸いだった。
後はそのギルドの専属みたいになり、必要なアイテムの組み合わせの依頼を受けるようになる。
どうやらクエストでそんなのがあるらしく、王都の専門職に依頼する為に試行錯誤をしていたらしい。
そして本意ではないけどSP獲得の為にパワーレベリングもしてくれて、レベルは少しずつ上昇している。
どのみちスライム専門みたいな戦闘力なので、金魚のふんの立ち位置のまま、付いて行くだけの簡単なお仕事になっている。
そんな僕だけど、レア職業なので手放したがらず、僕もそれなりに楽しくやっている。
「例のもどきあるか」
「200個あるけど」
「攻略最前線からの依頼でな、全部良いか? 」
「構わないよ」
「なら、報酬はこいつだ」
「手に入ったのか、それ」
「ああ、何とかな」
「大量生産がやれそうだな」
「それならよ、うちで売りに出しても良いだろ」
「3割で良いか」
「2割にならんか? 」
「くくくっ、ああ、良いよ」
「助かるぜ」
頼んでおいた調理器具がやっと手に入った。
さあ、作ってみようか、新しい商品を。
誰もがおいそれとは作れない、素材を組み合わせた新しい料理。
その材料までは独占だけど、そこから先は調理師の仕事になるだろう。
それにしても、素材の組み合わせがおいそれとはやれないって、変なゲームだよな。
どうにも行き詰りました。
元来、虐げられるばかりな話は苦手なので、書いているとどんどん気力がなくなっていきました。
そんな訳でこれで終わりです。
来年はもう少しまともな話を書いてみるつもりですが、どうなる事やら。
拙い話ですが、読んでいただきありがとうございました。




