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青い果実の 葬列

作者: 明宏訊

我が子を自殺に追いやった連中だ。

あなたたちは修学旅行にでも来たつもりなのか?

担任に連れられた連中はどの顔もしおらしい顔を見せる。

夜の暗い光はその陰影を酷なまでにはっきりとさせる。

かつて生きていた我が子と同じ制服の連中だ。

まるで果実を流れ作業で加工する工場のようだった。

ひとりひとりを具に眺めているうちに気付いたことがある。

ひとつ間違えれば、この連中と同じ軌道を回っていたかもしれない。

棺の中で冷たくなったのは、あの連中のひとりだったかもしれない。

そう思うと何とも言えない気分になる。

あどけない表情は確かに保護される権利を無言で主張している。

果実はどれも青いままで加工されていく。

表情や容貌の造作はどれも未完成だった。

一通りの芸術教育を受けている。

その事実のせいで権利の主張の真意を理解してしまう。

そういう自分が情けない。

ひとつ間違えればあの連中と同じ軌道を回っていた。

そうであってもいい。

たとえ、殺人者の列に並ぼうとも、棺のなかで人形然と冷たくなるよりましだ。


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