シーン15ー1
シーン15ー1 ミネーズの説得
魔境”花園”
混沌レベル5
GM:螺旋階段に似た廊下を歩いていくと、広い花園を出ます。
ミネーズ:その花園にヨハネス子爵(男の子。8歳)は居ますか?
GM:はい。居ます。ダン・ディオードの1人娘、ノエラ・ディオード(16歳)。ブラギス・インサルンド伯爵の次男ドイバルの娘(10歳)も居ます。
ミネーズ:その3人に近づきます。
GM:待った。ミネーズは最後の1人、見覚えがない女の子にも気づきます。まだNPC達はミネーズに気づいていません。
#ノエラ・ディオード:「ーーこうして、マルク・セィルートは自らの命を懸けて、死竜を撃退しました。残された人々は彼の勇姿に感謝し、敬意を表す為に最も高い山に骨を埋め、莫大な遺産も一緒に隠しました。その遺産は死竜を倒した時の報酬であり、彼に対する謝礼だったのです」
#ヨハネス子爵:「やっぱり、自由騎士マルクはその謝礼を欲しかったのかな?」
#ノエラ・ディオード:「どうかしら? それは私も分からない。この話は私の母のお爺さんが生きていた時のものだから、少なくでも、今より危険だったかも」
#ヨハネス子爵:「ふーうん。せびとも、その人に出会って、聞きたいね」
#ドイバルの娘:「それは無理よ。だって、自由騎士マルクはとおいとおーーーーい所へいったもん。でしょ、ノエラ姉さん」
#ノエラ・ディオード:「ええ・・・」
#謎の少女:「クスクス・・・・話が盛り上がっている途中、ごめんなさい。どうやら、迎えが来たみたい」
#NPC一同:「!?」
GM:そこでようやくミネーズに気づく。
ミネーズ:「初めまして。ミネーズと申します。私はフラメア様の依頼により、ヨハネス子爵を連れ戻しに来ました」
#ノエラ・ディオード:「そう・・・。「外」はどうなっているの?」
ミネーズ:「恐らく、ノエラ・ディオード様の父様も動いているのかと。途中竜使いの騎士に出会いました」
#ノエラ・ディオード:「お父様が・・・・。いいえ、私はここから動きません。この子供達も一緒です」
ミネーズ:「何故ですか」
#ノエラ・ディオード:「・・・・知っていますか? 私の母のこと」
ミネーズ:判定しますか?
GM:ミネーズは知ってもいいです。
ミネーズ:「・・・・・知っています」
#ノエラ・ディオード:「本来ならば、部外者である貴女に言うのも変な話ですが・・・この際はっきりしましょう。私は父が、ダン・ディオードが嫌いです」
ミネーズ:「!?」
#ノエラ・ディオード:「確かに、母の浪費癖は酷いものでした。ですが、それら全ては私への愛情の故でした。わがままを言っても無理矢理金で解決しようとしていました。私が頼れる人。安心できる居場所。そんな母を父は斬った」
ミネーズ:・・・・心が痛いです。
#ノエラ・ディオード:「例え、他人に母のことを酷く言われても、私にとっては母しかなかった。父は民のためにと言って仕事に集中していました。母が私を見てくれる! それだけでも嬉しかった!」
ミネーズ:「違います」
#ノエラ・ディオード:「・・・何が違うの? ヨハネス子爵だってここに居たがっています。まだ幼いなのに、千人、万人の命を握れるような立場にあります。今はフラメア様がコントロールしていますが、いつかは任せようというのです。13歳で、君主を名乗る。おかしいでしょう? 子供は遊び、学び、大人に守られながら成長していく権利があるのです」
ミネーズ:「違います」
#ノエラ・ディオード:「どう違うのですか? 答えてください」
ミネーズ:「貴女が今の生活を不幸と思うならば、それは違います。与えられるだけの生活を選ぶならば、私は拒否します」
#ノエラ・ディオード:「・・・・?」
ミネーズ:「母が何でもわがまま聞いてくれた? 父が何にも応えてくれなかった? 違います。貴女の母はただ、娘を喜ばせたいという一心の欲望で民の苦労を踏み潰した。貴女の父、ダン・ディオード様は何にも応えてくれなかったのではく、そうする時間が無かっただけです。作りたくても作れない。周りに敵だらけだったから。ーーーそれだけです」
言いながらノエラ・ディオードに歩き寄ります。
#ノエラ・ディオード:「なっ・・・何を・・・・」
ミネーズ:「では、ノエラ・ディオード様
。貴女に訊きます。右手にある聖印は、何の為に有るのですか?」
目を反らず、真っ直ぐ見て言います。




