プロローグ
読んで頂いてありがとうございます。
出来るだけ矛盾が無いよう頑張ります。
目指せ完結!!
中央大陸の南東部に位置するティアニス王国の王城のある部屋では、まだ生まれて間もない赤子を抱いた女性が泣いていた。
部屋には他に、赤子の父親で女性の夫であ る王弟、兄の国王、将軍とその妻がいたが、皆同じように今失われようとしている命を目の前に、何も出来ない己の無力さに打ちひしがれていた。
その時………。
「助けてあげましょうか?」
突然聞こえた自分達以外の声に驚き、部屋 にいた全員の目が向けられる。
そこには、背に羽根を持った女性がいつの間にか開かれた窓のそばにたたずんでいた。
絹糸のように滑らかに流れる長い金の髪。
瞳は宝石のように輝く色彩を持ち、その容姿は今まで見たことのないほど整っている。
その女性のあまりの美しい姿に部屋にいた者達は目を奪われる。
しかし、この部屋は城でも高い場所にあり、部屋の扉の外には護衛がいて他のものが入っては来れないはずだ。
将軍がすぐさま我に返り剣を女性に向け威 嚇する。
「貴様は誰だ!?」
その低く怒鳴るような声に、他の者もハッと我に返り、突如現れた女性を警戒する。
しかし、女性が発した言葉を思い出した王弟は将軍を制止し、僅かな希望を胸に問いかける。
「今助けるかと言ったな?
それはどういう事だ!お前は娘を助けられ るのか?
それにその姿……人間ではないようだが……」
「私は精霊よ。
そして、私ならその子を助けてあげられるわ」
「精霊!?」
めったに姿を表さないとされ、実際に彼らも目にするのは初めてだった。
そんな精霊の登場に、驚きを隠せない。
「精霊が何故姫を助けようとする?」
横から話を聞いていた国王が精霊の行動が理解できず横から口を挟む。
「理由は教えられない。それにただで助ける訳じゃない、ちゃんと条件があるわ」
「……条件とはなんだ?」
「その子を助ける条件はーーーーーーー。」
「なっ!!」
「そんな!」
精霊に告げられた条件。
それに全員が顔を強ばらせた。
「そんな条件が聞けるはずがないだろ!」
「ならその子は助からない、それでもいいの?」
王弟は受け入れられず激昂するが、精霊はそんな様子も意に介さず、ただ静かに告げる 。
「彼女の条件を呑みましょう」
それまで静かに話を聞いていた母親が赤子を見つめながら話す。
「なにを言っているんだ!?」
「私達じゃ、この子がこのまま死ぬのをただ見ているしか出来ない。
でもその条件さえ受け入れれば助けられる、そうでしょう?
私はこの子を助けたい!」
王弟は覚悟を決めた強い眼差しに何も言え なくなった。
そして、失われかけた命は救われた。
ある代償と引き換えに………。