トークテーマは「引っ越した部屋」です
過去のふたりのおしゃべりは『トークテーマは「ホラーな体験談」です』で配信中です♪
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「七月ですね。暑くなってきましたね」
「ネリんち暑い?」
「うちまあまあ暑いです。もう」
「そっかー、俺、引っ越した部屋、あんま暑くなくて。今年は雨が多いからかなとか思ってたんだけど」
「ノリアサさん、新しい部屋、涼しいんだ。いいなー。あ、ノリアサさん、引っ越したんですよ。まだリスナーさんには言ってなかったですっけ?」
「あ。初公開かも。引っ越しました! 俺!」
「わー、ぱちぱちー。涼しくていい部屋ということで」
「こないだネリも、泊まりに来てくれて。その節はお世話になりました」
「そうなんです。ノリアサさんの新居にお邪魔してきたんですが。あ、この話ってしちゃっていいやつです?」
「いいんじゃないかな? 一応解決したし」
「ああ、じゃあ話しちゃいましょう。夏だし?」
「あー、夏になるとするんだ。怖い話」
「ノリアサさん、怖いと思ってないでしょ?」
「思ってない。ネリは怖い?」
「僕はちょっと怖いですね」
「どっから話す? 最初から?」
「ノリアサさんが引っ越した部屋で、夜になると妙な音が聞こえるって言い出したところから?」
「ああ、じゃあ、そこから。最初はネリにこの話しても、あんま真剣に聞いてくれなかったよな」
「はは。音出るってあれですか、夜な夜なやんちゃなバイクがブンブンしてる感じですかー? って」
「俺んちの回り、そこまで治安悪くないから。まあまあ閑静な住宅地」
「ってことはアレだ、壁が薄くて隣の部屋の変な声が聞こえちゃう系?」
「それがわりと防音性も高くて。隣の音とかぜんぜん気にならない感じ」
「じゃあ何の音ですかねえ、って。まー、僕も、ノリアサさんち行ってみたかったし、じゃあ行きますかーって」
「音聞こえんのが俺の気のせいだったらいいなーと思って。ネリ泊めて、なんもなかったらいいなーって」
「で、僕、泊まったんですよね。ノリアサさんち」
「泊まったんだよなー。で、音……、その日もばっちりしてて」
「ですね、音。夜、寝てるときに音、聞こえちゃったんですよねえ。バリバリ、バタバタ、コッポコッポ、みたいな」
「そー。それで、朝起きてから、ネリが聞えましたーって。俺も、やっぱ聞こえただろーって」
「でもノリアサさんは、妙な音って言ってましたけど。僕には何の音かすぐわかったんですよ」
「さすがネリ」
「で、僕、言ったんですよね。ノリアサさん、あの音って、あれ、ネコです、って」
「言われたんだよなー。でも俺、全然わかんなくて。だってネコだったら、音、ニャアとかでしょ? 鳴き声」
「ニャーとかゴロゴロとかですね。あとたまにシャー」
「そうそう。そういうやつ。でも鳴き声じゃない音なのに、ネリはネコだって断言してんのが不思議で……」
「僕、家にネコいるからわかったんですよね。ネコ、夜行性だから。夜になるとバリバリ爪研いで、バタバタ走るんですよ。その音です」
「でも、俺の部屋にどっかのネコが入ってるわけないし。戸締りしてるし」
「まあネコって、ちょっとした隙間からでも入ってくるから、もしかしたらって……大家さんに連絡したんですよね?」
「うん。大家さんに連絡して、なんかいるかも、みたいな。けどまあ、そのあと調べてもらったけど、やっぱどこにもいなかったから」
「音は?」
「調べてもらった後も、音はしてる。バリバリのバタバタ」
「まあたぶん、ネコのあれですよ。ネコの幽霊」
「えー、やっぱり、そうなるんだ?」
「だと思いますよ。ノリアサさんの借りてる部屋、ペットOKなんですよね? 何も飼ってないくせに」
「あはは。実はそうらしい。俺ぜんぜんそれ知らずに部屋選んでた」
「で、前住んでた人って、ネコ飼ってたんですよね?」
「そう。大家さんと話すうちに、ぽろっと、そんなことを言ってて……あー、ネコって、家につくっていうから。もしかしたら前ここにいたネコちゃんが……とか、俺、考えたんだけど。そしたら大家さん、その前に住んでた人ともまだ連絡取ってるらしくて。前にいたネコちゃん今も元気よーって、動画見せてくれて。前の住人とも動画やりとりしてるって。めっちゃかわいいネコ動画見せられちゃって……」
「元気なんだ? よかったー」
「よかった。よかったけど、じゃあ俺の部屋にいるネコっぽいものは、誰? みたいな」
「ペット可だから住んじゃえ、みたいな」
「えー、勝手にルームシェアされてんだ?」
「ノリアサさんもネコ飼ったらどうですか? リアルネコ。動物嫌いじゃないですよね」
「嫌いじゃないけど……いやあ、もう先住がいるから。仲良くできるかわかんないからなあ」
「先住とか言っちゃってるし。ネコもネコの幽霊は苦手だったりするんですかね」
「ネリんちのネコに聞いてみて」
「今度聞いてみます。教えてくれるかな……。あ、じゃあノリアサさん、ネコじゃないペット飼ったらどうですか」
「ネコじゃない? 犬とかもネコ怖がらせそうだし……もっと別の、鳥とか?」
「鳥はネコの幽霊怖いんじゃないですか? 鳥かごの中入ってきそうですし。食べられる恐怖がすぐそばなのは、かわいそうですね」
「えー、じゃあハムスターとか金魚もダメじゃん」
「ダメですね、怖がっちゃいますね」
「あー、ペット無理だわ。ペットOK物件に住んでるのに無理だわー」
「もう今のネコちゃんかわいがるしかないですね」
「幽霊だけど、まあ、そうする。てか、ネリ、あの音でよくネコだってわかったよな」
「やっぱ音がネコの音でしたから」
「バリバリとかバタバタとか?」
「はい。あと、コッポコッポ……あれ聞こえたときには、飛び起きました」
「さっきも言ってたけど、コッポコッポって何の音? ネコ、そんな音出る?」
「ネコ飼ってる人には恐怖の音だと思うんですけど」
「そんなやばい音?」
「はい。まあノリアサさんのネコちゃんは実体がないから……たぶん大丈夫だと……」
「たぶん? 現実のネコだと大変な音?」
「大変ですねえ。何の音か知りたいです?」
「知りたい」
「今度僕んち来たらわかるかも」
「え、じゃあ。お邪魔します」
「手土産よろしくお願いします。うちのはちゅるっとしたやつが好きです」
「持っていきます」
「ノリアサさんところのネコちゃんも好きかも?」
「あ、じゃあ、うちの子にも用意します」
「マジで飼ってるみたいになってるし」
「ねー、やばいな。音聞こえなくなったら俺、逆に心配になるかも」
「そのときは、ああ、ほんとのおうちに行けたんだな、って思っていいんじゃないですかね」
「そっかー。じゃあそれまでは、うちにいてもらいます」
「そうしてください。てか、ノリアサさん、ネコの幽霊怖くないんですね?」
「あー、たしかに不思議と。幽霊でもネコだったら怖くないっていうか。怖いのはヒトの幽霊……んー、ヒトの幽霊とルームシェアは俺、やっぱやだな」
「あ、じゃあ、ノリアサさんちにいた方たちは、無許可で?」
「え、なに。やめて? 誰かいた? てか複数?」
「ノリアサさん見えてないなら、気にしなくていいと思います」
「ちょい待って、すごい気になる」
「部屋涼しいし、ネコちゃんいるし、いいお部屋に引っ越せてよかったですね」
「え、涼しいのも関係あんの?」
「まあまた、ネコ以外の音聞こえたら、泊まりに行ってあげますんで。ちゅるっとしたやつと塩持って」
「待って。塩は誰用?」
「はい。というわけで、ノリアサさんが引っ越した話でした」




