偉そうに座って、タオルを着る
ぷくまる(人型)が、うちのベッドの上に陣取っている。
しかもタオルを肩からかけて、
なぜか王様みたいに脚を組んで座っている。
「……なんでその座り方なの?」
「人型というものは、こういう座り方をするのだろう?」
「いや知らんけど……少なくともタオル一枚で威厳出そうとするやつは見たことないよ。」
ぷくまるは胸を張り、勝ち誇ったように言う。
「ケージではできん姿勢だ。人型の特権を味わっているのだ。」
「人型になって10分で特権語るなよ。」
タオルがずり落ちそうになり、ぷくまるは慌てて押さえる。
その様子が可愛すぎて、つい吹き出した。
「笑うな。これは正式な……衣装だ。」
「ちょっと待って、衣装って言うなら服ちゃんと着よう? そのタオル、ただのバスタオルだよ?」
「服……とは?」
「えっ……そこから?」
ぷくまるは自分のカラダを見下ろし、
白い尻尾がぴんっと立った。
「余はこれで十分だが?」
「十分じゃないよ! そのまま外出できないからね!?」
「外出はしたくない。危険だ。」
そこは本能で理解してるらしい。
ぷくまるはふわふわの髪を揺らしながら、
ベッドの上をゴロゴロと転がり始めた。
「……快適だな。ここを巣にする。」
「やめて? ベッドを巣認定しないで?」
「いやだ。ここに住む。」
強気に宣言しながらも、ぷくまるは急に固まった。
「……飼い主。」
「ん?」
「このタオル……匂いがする。」
「人の家のタオルなんだからそりゃするよ。」
「……落ちつく。」
「急にデレた!?」
ぷくまるはタオルをぎゅっと抱きしめ、
こちらを見上げてきた。
その目が、不覚にもめちゃくちゃかわいい。
「飼い主。余は……」
「うん?」
「撫でよ。」
「またそれ!?」
「早く。でないと、拗ねる。」
尻尾がしゅんと垂れていく。
(あ、これハムスターのときの拗ねる前兆だ……)
「はいはい、撫でます撫でます。」
撫でると、ぷくまるはタオルの中でとろけそうに目を細めた。
「……ぬくい……。余、人型も悪くないかもしれん。」
「さっきまで偉そうだったのに、急に素直だな……」
するとぷくまるは寝転がったまま、
片手だけ挙げて偉そうに命じてきた。
「飼い主。余の服を用意せよ。」
「急に王様モード戻るのやめて!」
「余は忙しいのだ。撫でられるのに。」
「忙しくねぇだろ!」
こうして、タオル姿で王様ぶるぷくまるの世話という、
奇妙すぎる新たな日常が始まった。




