会場パニック!ちくわ、差し入れのひまわりの種を食べ始める
ファンイベントは後半戦。
握手会の列も長くなり、会場の熱気はピークに達していた。
ちくわは控室で、凛の指示を受けて最後のチェックをする。
「握手の準備は大丈夫? 怪我だけはしないようにね」
「うん! ぼく、気をつけます!」
でもその瞬間、スタッフが差し入れ用の小袋を渡す。
「ちくわくん、ひまわりの種です」
ちくわの目が輝いた。
「え、これ……ぼく用!?」
凛「そうだけど、食べすぎはダメだよ」
「えー! でも……ちょっとだけ……」
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握手会が始まると、ファンが次々にちくわと交流する。
ちくわはテンションマックスで、元ハムスター的リアクションを少しずつ出していた。
・小さくジャンプ
・耳をピンと立てる
・腕をちょっと伸ばして手を振る
会場は大盛り上がり。
でもちくわの手元に差し入れのひまわりの種を見つけた瞬間、制御不能になる。
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ちくわ「えへへ……ちょっとだけ……」
パリッ、ポリッ。
一粒、二粒……みるみる口の中に入れていく。
凛「ちょ、ちくわ!! 今は握手会中!!」
ちくわ「大丈夫、大丈夫! ファンのみんな見てるし!」
――いや、完全に自己満足の世界に入っていた。
ファンの中には、ちくわの行動に気付く者もいた。
「え、食べてる!?」
「元ハムスターってこういうことか!」
「かわいい……けどカオス!」
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会場の熱気はますますヒートアップ。
ファンが写真を撮ろうと携帯を向けると、ちくわはさらに小さくジャンプして動き回る。
スタッフも凛も、もはや収拾がつかない状態だった。
凛「……これは想定外の天災か……」
スタッフ「いや、天災というより、暴走ですね……」
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その時、黒川が会場に顔を出す。
「……こいつ、本当にやるな」
ちくわは気づいて、テンションがさらに上がる。
「黒川さん!! すごい人が来た!!」
黒川「……生で見ると、マジで予測不能だな」
凛はため息をつく。
「やっぱり……あなたの管理下では限界がある……」
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握手会が終わり、ちくわは控室に戻る。
手元のひまわりの種を見て、満足げに笑う。
「ふぅ……ぼく、がんばった……!」
凛「いや、がんばったのは“暴れずに生き残った”だけだよ……」
ちくわ「でも……ファンのみんな、喜んでたでしょ?」
凛「……まあ、それは間違いない」
会場の混乱は大きかったが、ちくわの元ハムスター的習性はファンの心を完全に掴んだ。
この日、会場で撮られた写真や動画はSNSにアップされ、さらに話題を呼ぶことになる。
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こうして、ちくわの初イベントは、
「握手会中に差し入れを食べる」という未曾有のカオスを生み出し、
新たな都市伝説を作る序章となった。




