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うちのハムスターが引きこもってばっかりだと思ったら、急に擬人化してきたんですけど!?  作者: 櫻木サヱ
ちくわ、初のファンイベントで地獄を見る

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21/22

個性強すぎファンたちの洗礼「元ハムスターに質問ある?」

朝の控室。

会場の音がまだ漏れ聞こえる段階で、ちくわは深呼吸を繰り返していた。

「大丈夫、大丈夫……ぼく、ぼくらしくやればいいんだ……!」


でも胸の鼓動は早く、背中に汗がつたう。

3日前まで、ハムスターだったちくわが、まさかこんな“人間のイベント”の中心に立つなんて、夢にも思わなかった。


凛は横でチェックリストを手に、スタッフたちに声をかけていた。

「質問コーナー、ちくわの答えはアドリブでOK。でも漢字読めない部分は説明不要。突っ込むほうが盛り上がるから」

スタッフたちがうなずく。

ちくわ「え、説明しなくていいの?」

「そう。突っ込まれる方が面白い」

「……突っ込まれるんだ……」


控室の空気は緊張と熱気でムンムンしていた。

そこに、ファンが会場入り。

入場ゲートをくぐった瞬間、会場中から歓声が上がる。


「きゃー! ちくわー!」

「人工生命体なの!?!」

「元ハムスターって本当ですか!?」


ちくわは目を丸くして、耳をピンと立てる(擬人化状態なのに動物的反応)。

凛は小声で、「大丈夫、落ち着いて」と肩を叩く。

でも、すでに熱気に押されてちくわの体が小刻みに震えていた。



質問コーナーが始まる。

ファンたちは個性が強すぎて、質問の内容もぶっ飛んでいた。


ファンA「ちくわ、ハムスター時代に一番好きだったひまわりの種は?」

ちくわ「もちろん大好きでした! でも今はお菓子も好きです!」

拍手と笑いが巻き起こる。

ちくわは照れながらも嬉しそうに胸を張った。


ファンB「黒川さんのこと、どう思ってますか?」

ちくわ「かっこいい! でもたまに怖い!」

場内に笑いとどよめきが起きる。

凛「……そこ、怖いって言わなくても……」

ちくわ「本当ですもん!」

凛「……まあ、正直だから仕方ない」


ファンC「人工生命体説、信じてますか?」

ちくわ「え!? 信じてません! でも人間になっても元ハムスターです!」

質問の矢が止まらない。

そしてちくわは興奮のあまり、ついに“ハムスター走り”でステージ端を駆け抜ける。


スタッフも凛も絶句。

「……予定外すぎる……」

会場のファンは大喜びだ。

「これが“元ハムスター”の魅力か!」

「動きが予測不能すぎる!!」



ちくわの目の前で、ファンDが手作りの帽子を差し出す。

「被ってください!」

ちくわ「え!? ぼくにですか?」

帽子をかぶると、さらにハムスター感が増し、会場から悲鳴と笑いが同時に巻き起こった。

凛「……想定の200%だ」



質問コーナー後半。

ファンE「握手したいです!」

ちくわ「はい! でも……手ってどうやるんだっけ?」

凛「手を出すだけでいい!」

ちくわはおずおずと手を出すと、ファンと握手。

喜ぶファン、固まるスタッフ、笑う凛――

この混沌の光景は、誰も忘れられない瞬間となった。



イベント終了間際、凛が耳元でささやく。

「次はお見送りと握手会。壊さないように」

「壊す……!? 気をつけます……!」


ちくわは深呼吸して、もう一度胸を張る。

「よし……ぼく、がんばるぞ……!」


会場の熱気、ファンの個性、混乱のカオス――

全てがちくわの成長の肥やしになる瞬間だった。



こうして、初のファンイベントは、ちくわにとって“個性強すぎファンたちの洗礼”の場となり、芸能界のカオスにさらに巻き込まれていくのだった。

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