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うちのハムスターが引きこもってばっかりだと思ったら、急に擬人化してきたんですけど!?  作者: 櫻木サヱ
ちくわ、芸能界の闇をちょっとだけ覗く

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18/22

広がる憶測。「ちくわ、実は人工生命体説」

ドラマ撮影も一週間目。

ちくわは相変わらず漢字が読めなかったり、ハムスター走りを出したり、壺を倒したりして現場を騒がせていた。


だが――

それとは別に、ネットではとんでもない事態が発生していた。



SNSトレンド

「#ちくわ人工生命体」

「#元ハムスターってマジ?」

「#生物学的に説明してくれ」


凛は控室で頭を抱えた。

「……なんでこうなるの……?」


そこへ、本人はスナック菓子を食べながら登場する。


ちくわ「りんちゃーん! これおいしい!」

凛「ちくわ、落ち着いて聞いて。今ネットで変な噂が広まってる」

「えっ!? ぼくの人気急上昇ってこと!?」

「……まあ、“話題には”なってる」


ちくわはスマホを覗き込み、目を丸くする。

「“ちくわ、実は人工生命体説”……?」

「なんの説明もつかない動きとか、演技の崩壊っぷりとか、元ハムスター設定とか……全部が合わさって、“普通の人間じゃない”って思われてるの」

「えぇ!? ぼく、人間だよ!?(元ハムスターだけど)」

「その時点で普通じゃないんだよ!」



そこへ、プロデューサーの高峰が慌てて飛び込んでくる。

「ちくわくん! ちょっと緊急で話が!」

凛「また何かあったんですか……?」

高峰「ネットでの噂が広がりすぎて、スポンサーが『ちくわくんは何者なのか』とざわついてましてね……」

ちくわ「ぼく人間です!」

高峰「……どこからどこまでが本当なんだい?」

「えっと……人間になったハムスターです!」

「説明になってないんだよねそれが!!」


高峰は頭を抱えた。

しかし次の瞬間、スマホが鳴り響き、画面を見て固まる。


凛「どうしました?」

高峰「……ちくわくんのフォロワーが、さっきから1万ずつ増えてる」

ちくわ「すごい!!」

「いや、すごいけど……理由が全部“謎すぎるから”なんだよなぁ……」



午後、現場入りするとスタッフたちがざわざわしていた。


「おはようございます!」

ちくわの挨拶と同時に、数人が振り返る。


AD「……本物だ」

メイク「めっちゃ普通に歩いてる……」

音声「人工生命体じゃなくて人間っぽい動きしてる……」

ちくわ「そんな心配されるの???」



黒川大御所まで噂を耳にしていた。


黒川「……ちくわ。人工生命体とはどういうことだ」

ちくわ「ぼくも知りたいです!」

「君が一番知らないのか……」

黒川は少し考え、ため息をついた。

「だが、人気とは得てして理解不能なところから生まれるものだ」

「かっこいい!」

「……またそれか」


だが黒川は続けた。


「この騒ぎも、いずれ“君の色”として定着するだろう」

「ぼくの……色……?」

「そうだ。人と違うことは武器にもなる」


ちくわの目がキラッと輝いた。

「黒川さん! ぼく、がんばります!!」

「……頑張る方向を間違えるなよ」



その日の帰り道。


凛「ちくわ、今日もお疲れ」

ちくわ「ねぇ凛ちゃん……ぼく……変なの?」

凛は立ち止まって、優しく言った。


「変だよ。でも、そこがいいの」

「いいの!?」

「うん。ハムスターでも人間でも人工生命体でも、みんなちくわが“ちくわ”だから見てくれてるんだよ」


ちくわは嬉しそうに笑った。


「じゃあ……もっと頑張らなきゃ!」

「いやだから方向だけは気をつけて!」


その声が夜の街に響いた。


こうして、ちくわの“謎すぎる人気”は芸能界の外にまで広がっていくのだった。


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