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うちのハムスターが引きこもってばっかりだと思ったら、急に擬人化してきたんですけど!?  作者: 櫻木サヱ
ちくわ、芸能界の洗礼を受ける

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11/11

現場パニック!「ハムスター走り」でセット崩壊

ちくわの二つ目の仕事は、子ども向けバラエティ番組の収録だった。

テーマは「いろんな動物とふれあおう」。

いや、ちくわはもう動物じゃなくて人間なんだけど、どうしても動物扱いされがち。


スタジオに着くなり、ディレクターが明るく言った。

「今日は子どもたちと一緒に、簡単な障害物コースを走ってもらいます!」

「はしる?わたし、走れる!」

ちくわ、やたらとやる気。


ただ、私はもう知っている。

ちくわが走る=何か起きる。


リハーサルが始まり、コースを説明される。

トンネルをくぐり、ミニハードルを越え、最後にゴールで笑顔のポーズ。

簡単。誰がやっても安全そうだった。


……普通の人間なら。


「ちくわさん、軽く走ってみてください」

スタッフが声をかける。


ちくわは胸を張り、

「まかせて!」

と言うと――


次の瞬間。


四つん這いになった。


「ち、ちくわ!?なんで四つん這い!?」

「はむすたー、はしるとき、このかたち!」


やめろ、スーツ破れる。


だが止める間もなく――


ちくわ、爆走。


めちゃくちゃ速い。

床をカカカカッとすごい音を立てて駆けていく。

完全にハムスター時代の全力疾走。


ディレクターが叫ぶ。

「待って待って!速い速い速い!!」


スタッフが網みたいなものを持って追いかける。

(なぜ網がある?)


そして問題はその先。


トンネルの入り口に頭から突っ込んだちくわは、

勢いのまま中を滑り抜け――

出口でセットに直撃。


ガンッ!!


トンネルの裏側のパネルが倒れ、

上に乗っていた小道具の木がバサァッと崩れ、

カメラマンが「うわっ!?」と飛び退く。


子どもたち「キャー!」

スタッフ「セットー!!」

ディレクター「止めてぇ!!」


混乱する現場の中で、ちくわがトンネルから顔を出した。


「ごーる……した……?」

全然してない。


私は頭を抱え、ディレクターは崩れた木を拾いながら深いため息。

しかし子どもたちの反応は意外にもポジティブだった。


「ちくわくん、はやーい!」

「ひとじゃないみたい!」

「もう一回やって!」


完全に“珍獣扱い”で人気。


ディレクターも苦笑しながら言った。

「……まあ、使える…っちゃ使える、かも?」


そしてその日の夜、SNSでは動画が流れた。

『四つん這いで猛ダッシュするスーツの男』

『人間やめてる動き』

『セット破壊してて草』


再生数は、ものすごい勢いで伸びていた。


ちくわ本人は、

「わたし、はしるの上手でよかった」

と満足げ。


いや、そうじゃない。

上手いけど違う。

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