6 お父さんは「人が変わったようだ!」と言われたよ。
「俺が孤児院で初めてジニー・・失礼!王妃に逢ったとき、俺を見て若き王妃が<キャア!ブタゴリラ(オーク・エイプ)こっちに来ないで!>と叫んだのだ。それがガラスの様な【パンチ(本名)】の少年の心を砕き、顔にコンプレックスを持った始まりなのだよ!・・さあ食べて食べて!」
等と自虐的にはなすものだから・・みんなが朝食を残してしまったんは言うまでも無い。
王様の話が一通り終わった時だった・・「子供達はワシの話しよりも【英雄王】の激励を聞きたいのではないか?」とお父さんに振ると、お父さんは跪いて語る。
「偉大なる【父なる王】よ!【母なる王妃】よ!王国に【王】と名乗れる権利をいただきありがたき幸せに思います。今後も【英雄王】の名に恥じぬ様、一層研鑽いたす所存です!」と語ると・・
<おお・・> <父なる王・・> <母なる王妃・・> <ドヨ ドヨ>とどよめきが起こる。
お父さんは立ち上がると「子供達よ!期待した【スキル】【サーバント】が来た者もいれば、来なかった者も居るであろう。そういうわたしもサーバントが来なかった一人だ。」
<ザワ ザワ> と騒がしくなったが、お父さんのサーバントが居ない話題は、俺もタブーと聞いていた。
「先日、そんな私にもサーバントが現れた。これまで皆のサーバントが羨ましくて、意地悪言った事を本当に恥ずかしく思う。私の息子のカエデもイビルアイと言うサーバントを得た。一見攻撃力が弱いのだが、感知系は戦闘には不可欠である。決して侮る事は出来ないのだ。諸君~女性にもだが、スキルやサーバントは使う者次第である。神は不要な物など造りはしない。自分を磨く事を忘れないで欲しい。」
お父さんが話すと <<パチ パチ>> <英雄王!> 等と歓声が飛ぶ中・・再び王の前に跪いて自分は家臣であると、皆に伝えたのだった。
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披露宴が終わると・・「「エイプリル団長!」」とお父さんを呼ぶ人がいた。
「これはアンドレ近衛隊長。ダレイモス騎士団長」・・
アンドレ第一騎士団は、近衛と言って主に王族の警護に当たるそうだ。ダレイモス第二騎士団長は【勇者流】の使い手で【両者】共に、異世界から持ち込まれた【IAI】とか【BATTOU】と呼ばれる剣術を信奉し、『技は力をねじ伏せる』と言うのが口癖なので、当然お父さんとは不仲なのだが・・
「私は第三騎士団を辞職するつもりだ。」と言うのだった。
「な!今日こそは【技が力をねじ伏せる】と分からせてやろうと思ったのだが!クウ・・殺せ!」
と、女性騎士のダレイモス団長が言った気がした・・