4 スキルが【プリズン】でサーバントが【イビルアイ】だったよ。
「ワシは若い頃に戦争で足が動かなくなり、教会の施しを受けて生きたいたんだ。ある日教会の前に高級な馬車が停まり、中から数人が【籠】を置いて行った。ワシが籠を覗くと【死にかけた赤子】が入っておった。ワシは早く教会に保護しなくては!と思って鉄扉を<ガンガン>叩き『空けてくだせえ!』と叫んでおった時・・<パアア!>と眩い光が赤子を包み・・赤子が血の気を取り戻したのじゃ!そおしてなんとワシの足も直っておった。」
「本当の話ですか?おとぎ話みたいですね・・」と俺が言うと老人は「本当の話じゃよ!その時の孤児が子爵さまなのじゃ。まったくおとぎ話の様なお方さね。」
とシワを深くしてニコニコするのだった。
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<ファ~ン! これより王都神聖教会において元服の儀を執り行う!ファ~ン>
と、パイプオルガンの音と共に幻想的な儀式が始まった。
<侯爵令嬢> <パア~> <おお!流石は水魔法の大家> <サーバントは【ウィンディーネ】か?>
等と歓声が響くので、田舎者の俺は焦ってしまう。
<エイプリル子爵令息!カエデ殿> 「は・・ハイ!」俺がビビりながら教会の壇上に足を運び魔法陣の中央に立つ・・<祈りナサイ>
「どうか!お姉さんと同格の【剣豪】とか、お父さんと同格の【拳豪】を下さい!」と目をつぶって祈っていると・・<パア!>と言うひと際眩しい光に包まれた俺・・
<何だ!あの輝きは・・> <目を開けていられん!> <これは凄いことになるぞ!>
歓声の中・・<さあ。目を開けて『ステータス・オープン』と言ってみて>と神官に言われ・・
「スキルは・・【プリズン】です。」と答える俺・・<サーバントはどうした?> <エイプリル子爵もサーバントが出なかったよなあ> という不穏な声が聞こえたので、お父さんの方を見ると・・ヘルメットを被っていても怒っている?感じがして焦る。
<サーバントが来たぞ!> <2体だって・・> <<イヒヒヒ!>>
魔法陣の中から~引っかかる様にして出て来たのは【イビルアイ】と言う感知系のサーバントだった・・それも【大小】2体・・
<どちらが君のサーバントかね?>と尋ねるのは神官だった・・
すると【小さい】方のイビルアイが俺に近寄り・・<イヒ!>と言って肩に乗る。
そして【大きい】方は・・お父さんの方に飛んで行くのだった。
「お前!おれのサーバントなのか・・」思わずヘルメットを脱ぎ捨てるお父さんの【顔】は・・
<<ブタゴリラ(オーク・エイプ)!>>と、誰かが言うも、お父さんは気にする様子も無く、頭上を飛ぶイビルアイを愛しい目で見ていたが・・
<バシャ!>と突然イビルアイが【黒い液体】をお父さんの頭から掛けると・・
<バタン!>お父さんが床に倒れてしまったのだ・・