22 サーバントにご対面したが・・【イビルアイ】では無かった様だ。
「ジョーイ・・私の年齢が【20歳】?って表示されているんだけど・・」と恋人でもある【越路】が聞いて来たので・・
思わず俺は「ああ~アズガルドではね、妊娠して1歳。出産して1歳って計算するんだよね。だから地球年齢よりも【2歳】多く表示されてしまう訳!」と答えてしまう。
「よくご存じですね。まるでアズガルドから地球に転移した人の様だ。」と魔導師が驚く・・
越路も・・聞いた本人も驚く(だったら聞くな!)おれは<また!やっちまったな>と焦り・・
「昨夜・・皆がおしゃべりに夢中だったから、城を散策していたんだよね。そしたらメイドさんに出会って色々とアズガルド世界の事を聞いたという訳!OK!」と誤魔化すと・・
<<ああ~メイドさんねえ・・>>と、みんなが納得した。
俺達が水晶に触れ、ステータスを確認した後に【若き魔導師】は告げた・・
「それでは皆様の【サーバント】に逢いに行きましょう」と。
<それ何?> <奴隷が付くの?> という声を聞くと・・俺はまた【説明したい】衝動にかられたが<グッ>と【ガマンの子】であった。
<ガサ ガサ>と、城の大ホールから外に出ると・・「大きな壁!」「石で出来ているんだ!」「太陽が2つある!」と言う同級生の驚く声が響く。
「さあ、ご対面下さい!」と言われ・・俺は<イビルアイ久しぶりだなあ>と思いながら室内を見渡す・・<あ!君がそうだね・・クエー> <よろしく・・キュウ!>という感じで、サーバントと主人は自然に引き合うのだが・・
「あれ?俺のサーバント知りませんか?」と【中年の金髪・青い目のオジサン】に話し掛けたが・・<・・・・・>と、黙秘された。
若き魔導師は俺に向かって言う・・「その者が貴方のサーバントですよ」と。
「え!このオジサンが精霊?」俺はてっきりイビルアイの育った姿を想像していたので、まったく気が付かなかったのだが・・
「良く見ると【宙に浮いている】んだ・・よろしく・・」と言うも<・・・・>無言だった。
「皆さん!コミュニケーションが取れない場合は【名づけ】をすれば、繋がりが強くなりますよ!」と魔導士が説明するのだが、俺は「イビルアイに悪いから【名づけ】は後でいいかな・・」と考えた。
実はサーバントは【霊体】でもあるので、名づけを行わなければ【交換】も可能である。
自分の職業に合ったサーバントを【斡旋】する業者も存在するのだ。
「ジョーイの後ろのオジサン・・宙に浮いているけどサーバント?なの。」と、言う越路の背後には【エコー】と言う【太目の金髪女性】の姿をしたサーバントが立っていた。
「プフッ!授業参観みたい!」と笑う同級生らに俺は・・「お前らのサーバントだってカッコいいヤツばかりじゃ無いんだからな!」と子供みたいに反論するしか無かった俺だった。
魔導師は・・「これから城の【書庫】に行きます。私もサーバントについては詳しく無いので【特性】を把握しましょう」と告げるのだった。
魔導師は更に・・「1カ月は城内で【座学】と【剣術】の訓練を行い、やがてはダンジョンでレベル上げをする」と言う話をした。
<チラリ>と後ろを向くと【腹の出たオジサン】が優しく俺を見つめていたのだった。




