15 英雄の真相を知ったよ。
俺が弱すぎた事から、気を抜いたのだろう・・
<オオ!あのスキルか・・> <でもガーディアンである【デュラハン】を討伐しないことにはゲートが現れないのでは?>
実は【プリズン】がレベルアップしたらしいのだ。
【時間操作】が出来るので、俺は「ダイアログボックス!」と表示させ・・「時間操作→早送り(最高速)を押下すると・・」
<グハ!> 「私に何をしたのだ・・」と言いながら・・ヨロヨロと【不起訴】されたデュラハンは・・<バタリ>と倒れたので・・
「早く!トドメを!」<グサッ> <ドギュ> <バキット> <ドシュッ>
そおして強敵が煙の様に消え始めるのだが・・<スクッ!>と立ち上がったのである。
「もう一度!」と俺がマントを踏もうとすると、デュラハンは手をかざし、弱々しい声で・・「待て・・ボスを倒した褒美をやろう・・」と言うのだった。
鎧の中に手を差し込んで【スクロール】を2つ取り出した。
「一つは【限界を超える者】もう一つは【影を操りし者】のスクロールだ。
小さき勇者よ・・受け取るが良い。」と言って俺に手渡すと・・<パアア>と光かり、スクロールは燃え尽きた。
そして「少女騎士よ。」と姉に手渡たされたスクロールも同じ様に燃え尽きた。
「騎士・魔法師よ。何年か後に【更に】強くなったら、今度は【実体】の私と戦おう。」・・そう言って<フッ・・>と消え去ったのである。
*****
<ピコン!>と言う音と共に・・<ガーディアンが倒されました。ゲートが顕在します>
と言う誰か?の声が聞こえたかと思うと・・
人が1人通れそうな【ゲート】が現れたのだった。
全員が茫然としていると・・<ズシ~ン>と言う音と共にお父さんが地面に倒れた。
<エイプリル様!> <団長!> 駆け寄るみんなに対して、お父さんが口を開く・・
「俺は50年前の勇者・・土師野 明正だ。」
<団長が?> <子爵様が?> <父上が・・> みんな不思議そうにお互いを見渡していたが、俺はなんとなく分かっていたのだ。
父は話を続けた・・「50年前に、勇者パーティーに居た公爵令息~つまり王妃の父親を通じて、彼女と親交があった。彼女は【メンクイ】なので、15歳の美男子である俺が【生き返る】と思って、死んだはずの赤子が生き返った【奇跡の孤児院】に行くと・・<キャア!ブタゴリラ!(オークエイプ)>と叫び、純粋な少年である俺は深く傷ついた。」
「記憶が無い俺は、自分の容姿を馬鹿にする者には容赦なく制裁を加えた。やがて俺の強さは騎士団も知るところとなり、領地戦争が絶えない我が国で俺は【英雄王】と呼ばれる強者になった。」
「しかし、容姿だけは変えられないので、仮面を付けたり屋敷に奪った美術品を飾るなど、倒錯した男になっていたのだ。」と静かに笑うのだった。




