13 魔物は「お宝」に変わっていたよ。
魔導師は「このダンジョンに封印されたボス級の魔物はマンティス(カマキリ)だったそうですから、何らかの異常が起きてアーティファクトに変換されてしまったのでしょう。」
と答える。
俺はお父さんに対して「封印された魔物はどうしたのですか?」と聞くと、お父さんは・・
「先代の勇者のことを皆は【封印の勇者】と呼んでいる様だが、それは間違いだ。」
と言いながら短剣を構える・・「彼の能力は【変換】なのだ。魔物を封印するのは同じだが、長時間をかけて魔力に応じたアーティファクトに変換して討伐するカッコいいスキルなのだよ!」と言いながら<シュッ!シュッ>と、カマキリのマネをするのだった。
1人の騎士が「アーティファクトと言っても、30センチ程度の短い短剣では戦えないですね。子供用かな?」と感想を述べる。
お父さんは「勇者様が決めるべきだ。どうしたい?」と言うと・・
「カエデ君は強い武器を持っていない様子なので、彼に使ってもらいたい。」と言うので・・
俺は「子供ではありませんが、勇者様が使えと言うのであれば、つかいましょう!」と言いながら、マンティスナイフを受け取り・・
<<シュッ!シュッ>と、カマキリのマネをすると・・<小勇者> とか <ダンジョン・ボスが出たら頼みますよ!>とか、なんか揶揄われている気がするのだった。
でもカッコイイ!
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また一週間が過ぎた・・次のダンジョンはハザール王国の東の端にある【カスピル海】の近くの洞窟だった。
<ガオー> <バシュ!> という感じで・・相変わらず戦闘は【騎士団・魔法師団】が魔物を討伐してくれている。
ここでもダンジョンコアが無いらしく・・
<石棺から【指輪】が出て来たぞ!> <これは【結界の指輪】だ!【レジェンド級】だぞ!>・・
「これはモミジちゃんね。」
【世直しの旅】とは良く言ったもので・・<勇者パーティーが来るぞ!> と聞くと、関係国の貴族・大商人がこぞって・・<家にお泊り下さい!>街道沿いで待っているのだったが・・<貴族の不正の証拠です!> <商人が村人を搾取しております> 等の陳情も多かったので、手の届く範囲で見張っていたかったのだろう。
モチロン、陳情書類などは【密偵】がダキア王国に持ち帰ったのであった。
そおして旅は続き・・
〇マリオネラ公国 黒海近くのダンジョン 宝玉
〇ダキア王国 黒海沿いダンジョン 宝玉
〇ガリア大国バルカン山脈沿いのダンジョン 地竜のマント
〇トラキア新聖国 港のダンジョン 海竜の鎧
と、言う感じで思ったよりも命に危険がなかったので、パーティーは気が抜けていた。
そしてガリア大国でも・・「よく着てくれた!勇者様・・50年前の魔物を何とかして下さい!」と歓迎されたのだが・・お父さんだけは何故か?不服そうな顔をしていたのだった。




