11 どこもかしこも英雄パンチが『マトモになった!』と大騒ぎ。
<<グウ グウ>> 「モミジ君!・・と勇者様!起きて下さい。」
<<<グエ~タンマ!>> <<<イタイ イタイ>>>「カエデ!・・と勇者様!しっかりしてください。魔物は待ってはくれないのですよ!
そんな厳しい訓練も【半月】になろうとしていた時だった・・
「カエデ君、モミジ君少し良いかな?」と俺達に声を掛けてきたのは・・
「「近衛隊長!おはようございます。」」
お父さんは論外として・・正式には【第一騎士団団長】が姉と俺に声を掛けて来たのだった。
「最近、お父さんの様子が変なのだ。城内で取ったことの無い【ヘルメット】を最近は付けたことが無いし、女性軽視で有名だったのに『第三騎士団・・通称『平民騎士団』の団長には女性騎士を推薦したい!』と言う感じで、言動がオカシイというか『マトモになった』のだ。」と言うのだった。
更に・・「パンチ団長とは【剣技】についても意見が分かれていてね。私が勇者流と言う【力より技】を磨くのに対して、パンチ団長は【力こそ全て】と言う正反対のスタンスだったため衝突していたのだよ。しかし最近では【柔よく剛を制す】と言い出して、第三騎士団は他の騎士団や魔法師団とも積極的に集団訓練を行っているのだ。」と、怪訝そうな顔をしていたのだった。
姉は「私が父上と逢うのは、弟の【元服の儀】を含めて数回ですし、弟も父上と逢った記憶がほとんど無いと思います。ですから比べようが無いのです。」と言うが俺は・・
「姉の言う通りです。ただ・・私の元服の儀でサーバントが【黒い液体】を頭にかけ、3日意識を失って以降は『人が変わった様だ』と使用人も話していました。」と告げた。
そうか・・パンチ団長ほどの戦士に、これまでサーバントが居なかった事が不思議でしかたなかったのだが・・ありがとう。少し分かった気がするよ。
と、安心した顔をして立ち去ったのだった。
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<パッカ パッカ> 子爵家の馬車が、王都の屋敷に向かっていた。
「今日は久しぶりにお母さんに逢えるね。」と言う俺に対して・・
姉は「別に・・私は【準騎士】なので『死んで屍拾う者無し』なのだ!」と、勇者流剣術にドップリと洗脳されていた。
「「サッパリしている・・」」屋敷に入ると、これまで『美術館か!』と言う感じだった絵画やら彫刻の類が綺麗に片づけられていたのだ。
「「お母さん!」」姉と俺が駆け寄ると母は・・「お役目ご苦労様!お母さんの鼻が高いですよ!」と笑っている。
黒目黒髪と言っても、長い年月の間に血が薄まったらしく、実際には【灰色髪・薄い緑色の目】
なのだし、勇者の女性と比べて・・【鼻も高い】のだった。
姉は母に・・「お屋敷の絵画とか彫刻?どうしちゃったの・・」と聞くと・・
私もお屋敷に招かれる事は少ないので、よくわからないのだけど・・旦那様が急に『こんな悪趣味な物は処分する。』と言い出して、第二婦人のサンドラ様の実家の商会に全部売ってしまった様子なのよ。」と言うのだった。
俺は「勇者が現れたり、子爵を隠居したり、兄上が公爵家に養子に行ったり・・お金が掛かったのでしょうか?」と心配そうな顔をして言うと母は・・
「あなた達は、そんな心配しなくても良いのよ。勇者様と共に世直しの旅に出るなど名誉な事なのだから、お母さんの実家の蓄えもあるし、剣や鎧にケチってはダメですよ。」と釘を刺すのだった。




