9 勇者夫婦の「見張り番」になったよ。
「おい!カエデとモミジ!。お城から使いが来たぞ!」
早朝~まだ寝ていたい時間なのだが、兄さんがメイドさんも通さずに直に部屋に尋ねるなど緊急の用事なのだろう。
それでも~<お坊ちゃん!顔を拭いて> <お嬢様も体を拭いて> 等と慌ただしく着替えを済ませ、最低限の朝食を取り~
<パカパカパカ>と馬車が速足で走行した。
「王都の石畳を走る時は『車輪が見える程度に』と決まっているのだが、今回は【王命】なので例外なのだ!」とルビイ兄さんが馬車の中で髪を結っているほど慌てる事態なのだろう。」
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<王命!【剣豪】モミジ及び【監守】カエデ両名はこれより【勇者パーティー】とする!>
「「え?」」姉さんと俺は変な声を出した。
ルビイ兄さんも初耳だった様子で・・「騎士団では無く・・この幼い2人ですか?」と聞くのだった。
大臣?はルビイ兄さんに向かって「騎士ルビイ。王命である!」と言いながらも・・
「まあ聞け!先日の勇者様の興奮を見たであろう。誰が2名を押さえたのだ?」と言うのだった。
「確かに・・カエデのスキル【プリズン】が無ければ、勇者様方を押さえることが出来ませんでした。」と納得した様子だったので・・
「ルビイ兄さん。勇者パーティーって魔王を倒しに行く旅をするのでしょう?」と不安そうに聞く俺に対して兄は・・
「がんばれ・・」と肩を叩くのだった。
俺と正反対の反応なのは姉さんだ・・「私は勇者の子孫。そして英雄パンチ・エイプリルの娘です!必ずや魔王を倒してみせましょう!」と意気揚々で鼻息が荒かった。
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<ガキン! バキ ドカ!> 「カエデ君どうした?お姉さんを見習いなさい・・」
俺は、騎士団の【U15】と呼ばれる【未成人予備軍】から剣術をしごかれ、限界を迎えていた。
<グウグウ~ バシッ!> 「モミジ君!寝ていてはイカン。弟君を見たまえ。座学も必要ですぞ!」姉は苦手な【世界史】になると寝てしまうのだった。
座学の先生は本を閉じると、最近の話題について教えてくれた・・
〇 昨年、北の大山脈で大きな地震が発生し1000年ぶりのスタンピードが起きた。
〇 廃ダンジョンだった場所に一千万匹とも言われる強い魔物尾が吸収され新たに『魔食いダンジョン』と呼ばれることとなる。
〇世界各所のダンジョンが『つながる』事態が発生し、専門家も頭を悩ませている。
〇我が国のダンジョンも活発化しており、魔物も活動的になっているので、勇者パーティーには討伐を期待している。
そして、50年前の勇者についても・・
〇50年前の勇者は、細身の少年だったが【片刃の変わった刀剣】を所持していた。
〇勇者流と呼ばれる独特な剣技を編み出し、今でも騎士団の主流となっている。
〇勇者のスキルは【封印】と言われており、50年後の現在も封印された魔物は生きていると見られている。
と言う話であった。
一週間もすると・・「モミジ・カエデ両名は大広間に来る様に。」と呼び出され、姉と俺が行ってみると
〇勇者夫婦 2人
〇お父さん(元第三騎士団長)
〇魔導師 3人
〇剣士 3人
が揃っていた。




