ダンジョン攻略(ハイタウン編)
「あれ?そういう話でここへ来たんだっけ?」
私がカジの方に顔を向けると、
「いや...ハイタウンの...ダンジョンの...情報を...」
混乱している。...まあしょうがない。どうやらハイタウンでまとめ役をしているダンジョンボスのことを知るためにここへ連れて来たようだけど、まさかその当の本人が目の前にいたというのだから。
「それで、魔石と魔核をあなたに渡せば、何か解決することでもあるの?」
私が、ドラキュラ伯爵、いやもう伯爵じゃないか、王ドラキュラか、に話を振る。
「さすが最強最恐のプレイヤー「黒炎龍姫」、少しも動じていないね。...実に面白い」
いや、答えろよ。でも、なにやら奴には魔王のシステムを消去できる手段があるのだろう。なにせドラキュラが気に入らないのは魔王というよりこのステージを支配しているシステムなのだろうから。「審判者」たちがやって来る以前のステージに戻したいのだと思われる。
まあそのことに私としては何ら思うところはない。別にゲームマスターじゃあるまいし、そもそももうゲーム設定など、どうでもよい状況だ。ただ、2ndステージにあったらまずいだろう魔王がらみの品を3rdステージに持ってきただけだ。当然ステージクリアするつもりでもあるけれど。この場合、ドラキュラに魔核を渡すのがクリアなのか、ダンジョンボスどもを一掃して、魔核を集めるのがクリアなのか。
「なんだ?クエストをこなすというやり方がお好みなのかな?それならそれでもかまわないが。...実に面白い」
あれ?勝手に話を進めやがった。途端、あたりの様子が変化していく。
「それではダンジョンボスよろしく私は待ち受けるとしよう。無事たどり着いてくれ」
言葉を残し、ドラキュラの姿が消える。...周りの状況の変化も終了したようだ。どうやら結界がなくなり、ハイタウンのダンジョンとの融合がなされたようだ。なんでもありだな。
「どうしてこうなった!」
カジが頭を抱えている。ルーは何やら考えている。バルを見やり、
「どうすんだ?これ。魔核集めるのが正解?それとも魔王の方をどうにかする?」
「どちらでも構わぬと言えば構わぬな。もう「プレーヤー」がこのステージのクラスチェンジクエストをこなすことがあるわけでないのでな」
そういえばそうか。ドラキュラの望み通り魔王の存在を消しても問題はない。するとルーが、
「とはいえそれで止めちゃうと、ハンターたちが困るね。王がしばらく起たないようにしておくべきなんじゃない?」
つまり、ギルドのクエストをこなすということか。ドラキュラのいう通りじゃないか。...まあいいか。
「じゃあ、ダンジョンクリアといこうか」
既に玄関ホールと思われた場所は変化を終え、あの大階段も姿を消している。
「とりあえず上層階へ登っていくことになるのかな」
このフロアをまずは攻略して上層へ続く階段なり、通路を見つけるべく動き出す。
どうやらこのフロアは、スライムがメインのようだ。上へと昇る毎にランクが上がるのだろうか?と思ったら、悪霊やスケルトンなども混じっている。リッチも絡んでいるのだろうか。まあ連携しているらしいしね。
「オラオラオラァ!」
カジが張り切って飛び出し、スライムやレイス、スケルトンなどをなぎ倒している。なんかヤケクソになっているのか?ミスリル製の片刃剣、というか刀か〇右衛門が持っている〇鉄剣を振り回し、それでもスライムの核を正確に破壊しながら、もう片方の手をスケルトンへ向け、「岩弾丸」を放ち粉々にしている。カジは3rdステージまでしかクリアしてないので聖属性スキルがない、なので悪霊は私とルーが聖属性の「浄化」で消し去っていく。本来なら、光属性の「回復」で弱らせ、ポーションを使い対応するところだが、4thステージで聖属性スキルを得ていればそんなまどろっこしいことをする必要はない。
やがて、リッチも姿を現す。魔法戦をやり合う気もないので、結界に閉じ込め、その中に聖属性スキル「ターンアンデッド」をぶち込み、消滅させる。
上のフロアに行くと、悪魔が出てきた。こいつらは「祓魔」で祓っていく。これも聖属性スキルだ。そんなわけで、どんどんカジの見せ場がなくなって、後ろからただついてくるだけになってきた。...まあ、がんばれ。
そんなこんなで最上階、王達が待ち受けているフロアに到達した。ドラキュラの姿は、ここにない。ボス部屋は別にあるのか?スライム、リッチ、悪魔にバンパイア(こいつはドラキュラとは別のやつ)、それぞれにカジ、ルー、バルに私が対峙していく。ヤケクソのカジがスライム王を八つ裂きにし、核を破壊、ルーが「ターンアンデッド」でリッチ王を弱らせ、バルは悪魔王を「聖祓魔」で消し去った。
「ボクだけ倒せないんですけど!」
ルーが泣きついてきたので、上位の「セイクリッドターンアンデッド」で消してやった。ちなみに私はバンパイア王をとっくに倒していた。
すべての王を倒すと、魔法陣が現れ、4つの魔核を手に入れた。




