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ダンジョン攻略(ゴブリン&コボルト編)

 ギルドで早目の昼食を済ませた午後、ロータウンの西の(はずれ)にある境界門へ向けて、てくてくと歩く。街を外れたこの周りは牧場や田畑が広がっている。ロータウンは結界により魔族や魔獣から守られているので、境界門より外へと出なければ当然魔族の経営するダンジョンへは行けない。

「やっぱり家畜も作物も元気がないね」

「そりゃ魔核が得られないんじゃしょうがないんじゃねえか?」

 私の言葉にカジが答える。

「確かに魔獣や下っ端の魔族の魔石だけじゃあ、支えきれないよね」

 ルーもそれに同意する。そう、ロータウンの結界の中に魔素が満ちていないのだ。ロータウンが活気がないというか寂れている原因だ。

 1stステージでは、深い森や海、山などが魔素を生み出し、家畜や作物の生育される。2ndステージは精霊だから置いといて、3rdステージでは魔素はダンジョンで生まれる。が、結界があるので魔素は入ってこない。結界を外すと今度は安全が守られない。ジレンマである。そしてダンジョンで得られる魔石だけでは、結界内の魔素を十分に供給するには足りない。やはり定期的にダンジョン攻略して魔核を得なければならないのだ。

 魔核とは、1stステージの王国のダンジョンの時に、暴走を止めるために探したダンジョンコアのようなものだ。1stステージではダンジョンボスを倒せばクエスト達成だったのでダンジョンコアを見つけることはなかったし、そもそもファウティノに言われるまでその存在すら知らなかった。でも考えてみればダンジョンなんだからこのステージの魔核にあたるものが存在してしかるべきだ。なんにしても、魔核はダンジョンを経営している魔族のボスを倒すと、そのフロアの奥にある魔法陣より現れる。


 ギルマスが言うにはロータウン周辺の(ロード)のいるダンジョンの魔核をすべてそろえると、しばらくはリポップされる魔核のダンジョンに(ロード)の起たないらしい。そうすれば攻略難易度が下がるので、定期的な魔核の供給に目処(めど)が立つということ。...ゲームとはだいぶ違う状況だ。

 そもそも王なんて魔王しかいなかったし、魔核を集めるなんてこともしなかった。まあ、クラスチェンジクエストは魔王城の魔核を得ることだったけど、Clv(クラスレベル)を上げるのに魔核は必要なかった。確かにダンジョン攻略して魔核を得るとレベルの上りは早かったけれど。崩落が始まるので同時に攻略しているハンター達や「プレーヤー」らのパーティーと連携取らないといけないし面倒なのだ。

 まあ、いずれにしてもハイタウンへの通行許可を得るためにもとっとと魔核を集めよう。ハイタウンもどうせ魔核集めをするわけだし、そのどさくさに魔王の魔核を開放すれば万事解決。...知らんけど。


 そんなこんなでゴブリンのダンジョンに到着。ハンターの姿も、ギルドから連絡が言っているのだろう、誰もいない。...ハズだ。

 砂地が広がる大地にひと際大きな砂山が聳える。その根元にぽっかりと大穴が開いている。ダンジョンの入口だ。

「ゴブリン戦士(ウォリアー)とゴブリン弓士(アーチャー)かよ」

「さすがに(ロード)が起つだけはあるよね。序盤から戦闘力が高い」

 手前にあるハンターの詰所のような建物の陰からダンジョン内部の様子を窺っていた、カジとルーがそうつぶやく。最低ランクの無印ゴブリンはゼロということか。

「とはいえゴブリンだ。誤差の範囲だよ、サクッと済ませて中へ入ろう」

 と、私。入口から「ワープ」で移動、奥に潜んでいた奴らの首を刎ねる。やがて魔石へと変化したそれらを拾い上げると、残りの3人もやってきた。

「連携もくそもないな。力技で特攻か?」

 カジのボヤキに、

「日が落ちる前に、コボルトのダンジョンも済ませたいからね」

 私が返すと、

「はぁ~、じゃあボクらはクロウの後をついて行くよ」

 ルーがため息交じりにつぶやく。バルは相変わらず偉そうにしているだけだ。


「本当に後ろついて行くだけで終わっちまったな」

「下級魔族程度で何言ってるのさ。本番はハイタウンだよ」

 相変わらずのカジのボヤキに私が返す。辺りは岩場だ。コボルトのダンジョンはこの先の大きな岩山にある。てくてくと(実は傍から見ればすごいスピードで)岩山を上ると、やがて山頂に深めの窪地が現れる。この底にある穴がダンジョンの入口だ。このゲームのコボルトはゴブリンを少し賢そうにして緑肌を灰色に変えた感じの奴らで、ダンジョンボスは魔獣であるロックワームを使役していた。なのでダンジョン内でポップする魔獣もワームばかりだ。

「ボクはここあまり好きじゃないな。ゲームの時はここは避けてたし」

 そうか、ルーはワーム系は苦手か。「黒炎龍姫」の記憶にも確かに存在しない。攻略難易度よりも気持ち悪さの方が厄介と言えばそうかもしれない。

「文句を言わない!ほら!ロックワームが来るよ!」

 ダンジョンに入ってすぐ、探査にワームが数体引っ掛かる。残念ながら私たちに不意打ちなんてものは、無縁なのである。全員「ワープ」でその場から下がると、ロックワームが顔御出してきた。連携するように先の通路より現れたコボルト弓士達が矢を、コボルト魔導士(メイジ)らが岩弾(ストーンバレット)を放つ。「風壁(ウインドウォール)」でそれらを防ぐと、「風斬(ウインドエッジ)」でワームとコボルトたちの首を刎ねる。ササっと魔石も回収。

「いきなりロックワームかよ!数が増えてくると面倒だな」

 カジがまたボヤく。確かに連携してくるのはボス戦くらいだったのに、序盤からこれでは物量で来られると厄介だな。

「じゃあ、それを潰すか」

 そう言って私はしゃがんで手を通路に付ける。

「「大地固化(アースソリディフィケーション)」!」

「なっ!何をしたんだ!」

「うるさいなぁカジは。ダンジョン全体の土中を固めてやったんだよ。これでワームどもは身動きが取れない」

 ロックワームの溶解液や(アゴ)による噛砕き程度ではどうにもならないほど硬質化してやった。硬度はダイヤモンド並みだ。

「なんだかこれまでのロータウンのハンター連中の苦難を思うと、...まあいいか」

 ボヤキ続けるカジ。いいじゃないか、細かいことを。

「それでは、サクッっとボス倒して魔核をいただこう」

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