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鉱脈の集いし山

「大精霊の気配がしないね」「うむ、たしかにな」「残念ながら今のボクではわからないけどね」

 私、バル、そしてルーがつぶやく...まあルーのは私に対する当てつけだろうけど。ドワーフの集落での言われように拗ねているのだ。アンタ本体は幾つだよ、っと突っ込みたくなる気持ちは抑える。まあ私が作ったアバターの所為だからね。それとバル、お前が巻き込んだんだろ他人事のように言うな。

 今は、ちょうど「鉱脈の集いし山」の中に入ったところだ。ドワーフの持つ採石に必須の精霊属性のスキル「石の意思(ストーンスピリット)」が、この山で使えなくなった原因の調査と言われても戦闘系スキルが中心の私なので生産系のスキルはそれ程持っていない。当然、生産系の「石の意思(ストーンスピリット)」なんてドワーフならともかく「プレーヤー」ではガチャで簡単に出ないレアスキルに違いないものを私は持っていない。ルーもそうであろう。というかあれは私の元のアバターなんだから断言できるね。ちなみに私ら「プレーヤー」は精霊属性のスキルも精霊を魔素として使うことができる。しかし純粋な人族や獣人族の冒険者はそれができない(ゲームの設定ではだけど)。つまり精霊属性のスキルは持てなかった。

 なので大改変前の冒険者達は専らドワーフの武器を調達するのが主な目的で2ndステージを目指すのだった。稀に「プレーヤー」とパーティー組んでいた冒険者の奴などはクラスチェンジクエストまで付き合って3rdステージにも行ってたそうだけど、詳しくは知らない。

 話がそれたけど私は、「石の意思(ストーンスピリット)」が使えない、使えれば試してみてドワーフのスキルとの違いとか検証しようがあるが、魔素と精霊との違いとか、使えない以上原因なんて、大精霊ノームが居ない所為だろうとしか思いつかない。なので、そのことを伝えると、

「なんと、流石ですな。それではやはり「大精霊ノーム」様が居られぬことが原因ということですのじゃな」

 と、ドルムルに感心されてしまった。いや、誰もそう思うよね。そんなことアンタらだってとっくに気付いていたよね。

「さすれば、大精霊様にお戻りいただければよいということで?」

 ドルムルが訊いてくる。

「それはそうなんじゃない?でも、なんで離れたかがわからなければ、簡単に戻ってこないでしょう?」

 私が返すと、

「そもそも「大精霊ノーム」の居場所わかるの?」

 ルーが疑問をはさんできた。

「小僧、「様」をつけるのじゃ。大精霊様に失礼であろう」

 ドルムルが注意を飛ばす。ルーの扱いが...まあいい。ルーなら私が「探査」で見つけられると思って発言しているのだし、たぶんバルもできるだろう。

「わかるよ。そうだね、手っ取り早く本人に直接聞きに行こう」


 見晴らしがよい場所で「探査」するため、山頂に「ワープ」する。脇にルーを抱えて。バルにはドルムルを運んでもらった。ドルムルはびっくりし過ぎて声も出せずにいた。というか目を回している。このまま静かにしていてもらいたいものだ。

「さすがにこの身体での連続ワープは堪えるね」

 ルーがこぼす。まあ、その体の耐性は並以上とはいえ、私やバルと比べてしまうとそりゃ高くないものな。聖属性スキル「状態異常無効」は確かに持っていたけどSLv(スキルレベル)低いからね。でも、頑丈と謳われるドワーフでさえあの状態だから、こぼす程度で済んでいるのだし、いいじゃないか。何度も言うが取り替えないよ。

「さて、探るとしよう」

 「探査」を大きく展開、なかなか見つからないため徐々にドワーフの国のエリア全域に広げていく。流石に処理がきつくなってきた。うん?見つからない?変だね。この山を逃げ出したとはいえ大精霊ノームがドワーフの国にいないなんてことあるのだろうか。いったん広げた「探査」をこの山の範囲くらいに戻す。

「どうやらドワーフの国には居ないね」

 私の言葉に、

「なんとワシらの国に大精霊様が居ないですと!」

 目を回していたドルムルがまだ青い顔をしつつも大声を上げた。

「居ないね。でも、もう一つ分かったことがある。この山には特殊な結界が張られているね」

「特殊な結界ですと?」

 相変わらず声がでかいな。「探査」でノームが見つからないので、精度を上げたため気付いたのだが、薄いそして私たちには何ら影響のない結界がこの山全体に張られていたのだ。

「そうだね。どうやら私たちには問題のないものだけど、精霊にはあるようだね。この結界に阻まれてというか避けているというかこの山は今、精霊が居ない状態だよ」

「なるほど、精霊が居ない山だからドワーフ達は精霊属性のスキルが使えないというわけなんだ」

「まあそうなるね」

「では、その結界をどうにかすればいいんじゃない?」

 とルーと話していると、

「おおっ!では、その結界を外せば大精霊様や精霊たちもお戻りになり、ワシらの(スキル)もまた使えるというわけですじゃな!」

 ドルムルが喜色満面でこちらを見る。

「いや、たぶんこの結界は外さぬ方がよい」

 バルが口をはさんできた。実は私もそう思っていた。

「そうだね。この結界は精霊を寄せ付けぬというより、山から何かを出さないようにしている感じだしね」

「そ、そんな。で、では...」

 ドルムルが落ち込んだ声を出す。上げて落としてなんか申し訳ない。

「結界に気付いたときに、術者とのつながりも捉えたんだ。ノームの居場所がわかったよ」

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