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クラスチェンジ

嵐竜を風竜に変更しました。竜と龍の差別化です。

(それにしてもチートだね。改めて実感するよ)

仕留めたロックファングボアを眺める。しばらくするとボアの体が溶けるように徐々に霧散していく。そして小さい丸い球が残された。ビー玉くらいの薄茶色のソレを拾う。ギルドの訓練場で拾ったのと同じ、魔石である。土属性魔法は茶色だ。色が薄いのは「岩砲弾」のスキルレベルがまだ低かったからであろう。

「ふむ。やはり反応が増えてくるか」

 ロックファングボアの魔力が辺りに溶け込んだ所為で、周囲の魔獣が刺激されたらしい。

(とりあえず検証は後回しかな)

 魔石を「ストレージ」に手早く収納し、戦闘に備える。

 ...

(ふう。粗方片付いたか?)

 魔獣の山が出来上がっていた。ロックファングボア、フレイムホーンベア、アースファングスネーク、サンダーホーンイーグル...etc。流石にこれだけ狩れば、周囲の反応が皆無になった。

(そろそろ日も暮れるし、どうするかなぁ)

 魔獣の山が魔石に変化するのを待ってそれらを回収した後、はじまりの教会へ戻ることにした。あそこ屋根あったしね。

「やはりこの村は魔獣に襲われたんだ」

 夕食を済ませ、温かいコーヒーを一口飲み、独り言ちる。たぶんちゃんと探せばこの村には小さな魔石がまだ落ちているのだろう。訓練場で拾った魔石を取り出す。緑色したそれはピンポン玉のサイズだ。緑色は風属性魔法の色である。

(この大きさならワイバーンなのかな?これが倒されるということは、グリーンドラゴンでも現れたのかな?)

 たぶん、ドラゴン種が現れスタンピードが起きたのだ。巨大台風が襲ってきたかの村の惨状を見るに風竜(グリーンドラゴン)かもと辺りをつける。

(デビュタンの森は魔獣はいなかったはずだ。何せルーキーが入る森だからね。ギリギリ対処できる普通種の魔物しかいない...設定だった。う~ん、そりゃもうゲームじゃなくなっているといえばそれまでだけど)

 ゲームの設定はこうだ。まずプレイヤーは、はじまりの教会で簡単なレクチャーを受け、ギルドで登録を行い、最初のクラス「ルーキー」でクラスレベルを上げていく。クエストをこなしCLv(クラスレベル)が一つ上がるとスキルを得ることができる。このスキル自分では選べない。まあガチャを回すわけだ。当然課金すれば多くガチャを回せる。そりゃあスキル被りも当然起きる。そしてスキルは経験を積まないとSLv(スキルレベル)が上がらない。被ったところで意味はないのだ。世の中甘くない。

 スキルとは基本魔法である。身体強化や武器強化などが最初は出やすくなっている。そうでなくては普通種とはいえ魔物と戦えないしね。そう普通種の魔物でも低いSLvの「身体強化」のスキルは使える。そして魔物なので倒すと魔獣と同じ溶けて霧散する。魔石もかなり小さく色がない。「身体強化」は無属性魔法だからだ。つまり、属性色の魔石を持ち「岩砲弾」などその属性特有の魔法を行使する魔物が魔獣というわけだ。ちなみに肉はどうしているかというと、各村などの家畜(牛・豚・鶏)で提供されるということになっている。魚も川などにいるのは魔物で、食えるのは養殖されたものである。

 ルーキーはクエストをこなしながらCLvを上げ、CLv10になると「クラスチェンジ」クエストを受けることができる。「ロースターの森」での魔獣討伐である。今日魔石に変えた低ランクの魔獣たちが主に生息している。そしてその討伐が成功に終わると晴れて「ルーキー」から「A(シングルA)」と「クラスチェンジ」できるのだ。つまりチュートリアル終了、ゲーム本番開始である。ちなみにクラスは「R((ルーキー)」、「A(シングルA)」、「A+(ハイA)」、「AA(ダブルA)」、「AAA(トリプルA)」の順である。マイナーリーグかよ!ってツッコミたくもなる。ちなみに「メジャー」クラスはない。マイナー生活止まりな気分にさせるというのもどうかと思うが、運営に何かこだわりのある人でもいたのだろうか。

 「チュートリアルの村」は、北に「デビュタンの森」南に「ロースターの森」が広がっている。「R」クラスでは村の南には行けない。「クラスチェンジ」クエストで初めて南の森に入れるのだ。当然「A」クラスにならないと森は抜けられない。つまり次のステージに上がれないということである。

 プレイヤーの行き来を制限しているわけだから、お互いの森で魔物の行き来もない...設定だった。

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