1stステージクリア
ダンジョンの最奥、ダンジョンボスフロア。そこにダンジョンコアは鎮座していた。
「探すも何も堂々とラスボス感満載で待ち構えていたね」
私があきれたように言うと
「暴走してこれだけ大きくなっておるのだ。この部屋くらいしか存在できぬのであろう」
バルバロスが冷静に返してきた。
まあ確かに見上げるほどの大きさだ。そしてそれを取り囲むように地竜がうようよしていた。数百匹?、数える気にもならない。ステージが違っていたため満足に属性魔法が使えなかったエルダーアレンの火竜と違い、こいつらは風竜と並びこのステージ最強魔獣だ。これだけいるとチョット骨が折れそうだ。
「我も手伝おう」
バルバロスが声をかけてきた。なんと、やる気らしい。自分に襲い掛かってきた魔獣を始末することはこれまでもあったけど、初めてじゃないか自ら戦闘に加わるのは。
「そりゃあ助かるけど、いいの?「管理者」が積極的に手を出して」
「ふん、そもそもファウティノの申し出じゃ。「管理者」云々は最早関係ない」
ならばバルバロスに頼ってもよいだろうっと、ダンジョンコアに目をやる。
ダンジョンコアなんて、まあ初めて目にするわけだが、といってもこれは通常状態ではないので本来こんな形なのかはわからないが、思っていたのとだいぶ違う。コアなんだからなんかまあるい感じを想像していたのだが、実に複雑怪奇な形をしている。
まず、まあるくない。なんていうのか宇宙の銀河系の形を思い浮かべてほしい。あんな渦というか光る星がとぐろを巻いている感じ?あんな銀河系がいくつも層をなしてらせん状に組みあがっているように見える。
これどうするんだ?ってな感じだ。ファウティノは、
「お主が帝国で使った「事象改変」、あれと同じ波動がの暴走したダンジョンコアから感じ取れた」
つまり、ダンジョンコアは「事象改変」を受けて結果暴走したのなら、探し出して「事象改変」を再度行うことでダンジョンマスターに管理権限を戻すことができるはずというわけだ。しかし、なんかまあるいコアを見つけてそれを手にもって「事象改変」を行えばよいかくらいに考えていたのだが、この大きさ、しかもまあるくない。ちゃんと説明しろよ。というかちゃんと聞いとけよ私。
まあ、なんにしても近づかなければどうしようもない。
「バルバロス、地竜をダンジョンコアから引き離してくれる?」
「ふむ、お主が近づけるよう道を開ければよいのだな」
話が早い、目的はダンジョンコアの暴走を何とかすることで、地竜の討伐じゃない。バルバロスならうまくやってくれるだろう。
早速、バルバロスが嵐襲を地竜に放つ。ドラゴンどもが吹っ飛ばされ、ダンジョンコアへの道ができた。その隙を逃さず私も「ワープ」でダンジョンコアの元へ移動する。
「さて、これに触れるのはどうなんだろう?」
というか形が一定でないのでどう手に付けてよいのかわからない。
「とりあえず結界で囲ってみる?」
「物理結界」と「魔力結界」をかけてみた。どうやらうまく囲えたらしい。コアがダンジョンと遮断されたのが感じられた。地竜の動きもちょっと変わった。というか冷静さを取り戻したかように私とバルバロスと距離を取り出した。
「これで、結界内に「事象改変」をかければ行けるのか?」
何にしてもやってみるしかないか。手をかざし、結界内に「事象改変」を行使した。
「事象改変」、ある事象を別の事象へ改変する。人族から魔族へ、魔族から人族へ。本来あり得ない事象を起こすスキルだ。5百年前のの大改変を起こしたと思われるスキルだ。なんでもありの能力と言ってもよいだろう。もっともカジワラからスキル譲渡されたこの「事象改変」事態のSLvはそこまでではなかったはずなのでちょっと不安ではあったのだか、ダンジョンコアの暴走状態を正常状態に戻す手ごたえを感じたその時だった。
「魔力の奔流じゃ!」
バルバロスが叫んだ。確かに魔力の流れが大きくうごめいている。ここではない、どこだろう?なんかこのフロアにも漏れ出している。しかし、目の前の状況に影響はないようだ。私の魔力は安定しており、「事象改変」のスキルも暴走してはいない。それにダンジョンコアも未だでかいままだが崩壊は起こしていない。というより正常に戻りつつある手ごたえすらある。
「どういうこと?」
「わからぬ。じゃが5百年前のあの時と似ておる。いったい何が起きようとしているのか」
やがてボスフロアに漏れ出していた魔力の奔流は消えていった。...あれっ、何も起こらなかった?
「うん?どうなったの?」
「わからぬ。5百年前、彼奴が消えた時と同じじゃな。あれよりは小規模じゃが」
じろりとこちらを睨む。...おいおい。
「睨まれても、私は知らないぞ。ダンジョンコアを戻しただけだ」
いつの間にかダンジョンコアは正常に戻ったようだ。というか目の前にもうダンジョンコアはなかった。たぶん、ファウティノに管理権限が戻ったのだろう。ボスフロアには地竜が所在なさげにこちらを遠巻きに見ている。
「さすがに問題があれば、ファウティノがバルバロスに知らせてくるだろう?」
「ふん、まあ良い。確かに何かあれば我にもわかる」
なんでファウティノに対抗意識持っているのやら。
「まったくとんだ濡れ衣だよ。まあ、なんにせよこれでダンジョンの崩壊は防げたようだね」
1stステージ、クリアだ。
第一章終わりました。いや~物語をつくるというのは難しいですね。わが身の未熟を痛感しております。その辺をいろいろと反省をさせてください。そこで少し間を置かせてもらいまして、第二章を始めます。...お待ちいただければ(10月再開予定)。




