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金龍ファウティノ

 予定通り2日後の昼過ぎに、私とバルバロスが滞在している迎賓館に国王がやってきた。

 もっと物々しい雰囲気で来るのかと思いきや、副団長のジルベルト・ビスカラと2人で気安い感じで部屋に入ってくる。

「紹介させていただきます。こちらがファウティノ・フランギスタル国王陛下です」

 副団長が紹介する。国王が私らの正面に座ると、

「それでは(わたくし)はここで一旦失礼します」

 と、副団長はあっさり部屋を出ていった。国王と私とバルバロスの3人だけとなる。


「久しぶりだな、バルバロス」

 国王がバルバロスに声をかけた。中々のイケボだ。輝くようなホワイトブロンドの長髪を後ろで束ね、30前後くらいの精悍な白人のイケメンである。プライベートなのでいかにも王様的な服装ではないが高貴な貴族らしい袖のひらひらした高価そうな薄黄色の上着を羽織っている。...しかし、久しぶり?確か2百年間森にいた古龍(エンシェントドラゴン)だぞ?

「2百年ぶりとなるのか、お主とこうして直に会うのは。ファウティノよ」

 バルバロスがこたえた。...っということは?バルバロスがこちらを向く、

「正式に紹介しておこう。こやつは古龍(エンシェントドラゴン)じゃ、王国のダンジョンマスターでもある」

 おいおい、どうゆうこと?ダンジョンマスター?

「ってことは地竜(イエロードラゴン)?いや金龍(イエロードラゴン)か。龍族?でも昔倒したダンジョンマスターは地竜(イエロードラゴン)だったはずだけど?」

「確かにその倒したというダンジョンマスターは(われ)ではないな」

 ファウティノが静かにこたえた。どうやらダンジョンマスターだと思って昔倒したラスボスは、地竜(イエロードラゴン)で合っていたようだ。大改変以前はファウティノが、このステージに生息する地竜(イエロードラゴン)をダンジョンのラスボスとして召喚して配置していたということだ。

 つまり、ダンジョンマスターはこの目の前の金龍(イエロードラゴン)「ファウティノ」というわけだ。確かにダンジョンマスターが地竜(イエロードラゴン)ではダンジョンの維持はできないだろうし、冷静に考えてみればプレイヤーのクラスチェンジや冒険者(NPCたち)に別のステージで活動できる「魔術(スキル)」を与えたりできそうにない。

「じゃあ、あなたも「管理者(ネームド)」というわけ?」

「そうだな。このダンジョンの管理者として名を与えられたことになる」

 あれ?しかし古龍が王様?王子とかは?「ステージクエスト」で王子いたよね?

(われ)が王となったのは2百年前だ。あの嵐龍(バカ)がダンジョンを開放したせいだな。それまで王国は普通に人族が王であった」

 見るとバルバロスがバツが悪そうにする。どうやら大改変でクラスチェンジクエストが行われなくなり、あの嵐龍(バカ)がバルバロスに言われダンジョンの2ndステージ側の出入り口を隠蔽した時、ファウティノは「管理者」を降りたそうだ。その後はダンジョンを維持するだけの金龍(イエロードラゴン)となる。

 しかし、2百年前ダンジョンが解放される。なるほど、確かにあの嵐龍(バカ)はバルバロスに従っていたのだから、ファウティノがバルバロスにダンジョン開放について確認をとったのだろう。それで会うのが2百年ぶりと。バルバロスが王国のダンジョンの許可にこだわるわけだ。そういう経緯か。しかし王が古龍だったとは、じゃあ帝国やらのいざこざもどうにかできただろうに。

「そのような治世に関与せぬよ。吾はあくまでダンジョンマスターであるからな」

 ダンジョンの開放により誰でも出入りできるようになると、魔石欲しさにこぞってダンジョン荒らしまわられても困る、それにそもそも魔素の濃いダンジョンではあったが、大改変の影響でさらに濃くなったそうで、下手な刺激は王国どころか大陸全土を破滅しかねない。魔獣の数の調整、主にスタンピード対策など、大っぴらに管理する必要が出てきた。しかし「管理者」として再び人より取り上げてしまえぬほど魔石は最早人の生活に必要なエネルギーとなってしまっている。仕方なく王国が魔獣狩り、つまりダンジョン探索の調整をできるようにするため手っ取り早く王様になったらしい。管理者として復帰して。そして管理者なら、こういったシステム変更は簡単だ。バルバロスめ、胡麻化しやがって。何がダンジョンの発見を放置しただ。ちゃんと管理者がいたんじゃないか。

 そしてファウティノは自らが王となる代わりに今までの王家は公爵家ということにして、実質この公爵家がトップとなり王国を運営させているそうだ。つまりダンジョンに絡まない限りファウティノ自身はこのステージに関与しないと。そりゃそうだろうな。管理者レベルではこのステージ、バルバロスの管轄だもんね。...まあいいけど、やはり私はバルバロスにいいように使われたということだ。


「で、わざわざダンジョンの許可してくれるために来てくれたの?」

「そんなわけがなかろう。お主とバルバロスに話をしておくことがあったからに決まっておる」

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