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はじまりの教会

「?、ここは・・・」

 気が付いたら、教会の礼拝堂とおもわれる薄暗い広間の長椅子に座っていた。

 がらんとしているその場所に人影はない。少し開いている木窓から光が差し込み、祭壇であろうところに据えられている木彫りの神の像が浮かび上がっている。「アーガルド神」であろう。長髪に髭面、手を下に斜め45度に広げて実に神っぽい。いかにもである。

 下を向くと、白い太ももを半分隠すように薄紫のキュロットスカートらしきものが目に入った。さらに視線を動かすと黒のブラウスの上に複雑な意匠を施した金色の台座に虹色に映ろう石が嵌っているペンダントトップ。そして膨らんだ胸部・・・

「お、女?!!」

 思わず叫ぶと、ソプラノの小鳥がさえずるような声に改めて気づく。手を持ち上げればすらりとした小さな手が。どう見ても女性のそれである。

(な、なんで?)

 どうやらここは始まりの場所、「チュートリアルの村」にある「はじまりの教会」。つまりスタート地点である。この村で基本的な戦闘技術、装備などを整えクラスチェンジを行いチュートリアルステージクリア、つまりゲーム本番がはじまるのだ。そうここは「アーガルドハーツ~レジェンドオブレガシー~」、いろんな要素てんこ盛りのオンラインゲームの中だ。

 しかし、疑問はある。なぜセーブポイントではなく、スタート地点?このアバターも俺が使っているものではない。だからニューゲームとして扱われているのか?大体いつ俺はログインしたのだ?

 疑問は尽きないが、まあまて、ちょっと落ち着こう。まず自分の姿を確認する。この服装、そして鏡がないので顔はわからないが、ボブっぽく切りそろえられた髪色は黒。これで黒のローブを纏い、レイピアのような形をした魔杖剣を下げれば、かの有名なアバターに思い当たる。

 そう、「黒炎龍姫」というイタい二つ名で呼ばれ、近距離、遠距離すべてのレンジでほぼ無敵、剣術、体術、魔術そのすべてがカンスト状態といわれる最強最恐のプレイヤー、「クロエ・ビロウ」。

(まさかねぇ)

 こちとら無課金でコツコツとクエストでレベル上げに勤しんでいる底辺プレイヤーである。いまだ基本装備に近く、チュートリアルの村にいた頃と大して変わらないその姿に「万年ルーキー」の二つ名まである。イタくないけど、恥ずかしいのは変わりがない。そんな共通点、関係ないよね?

 ふと隣を見る。...ありましたよ黒いローブにレイピア。たぶんこれ魔杖剣ですよね。

「いやいやいや」

(おかしいでしょ。なんのいたずらだよ。)

 だいたい他のプレイヤーに成りすますって、不可能なはず。このまま続けるなんて根性も当然ない。そこまで厚顔無恥になれない。これはなにかバグでも起きたのか?まあそんなことどうでも良い。嫌な予感しかしない。

(ひとまずログアウトしよう。そうしよう。)

 右手でレギュレーションサインをする。

「あれ?」

 ウインドウが出ない。

「どうゆうこと?」

 何度やっても同じだ。右手を動かし続けている姿がさぞかし間抜けに見えてたことだろう。誰もいないけど。

(なんでログアウトできないんだ?)

 なんかアセッてきた。嫌な予感びんびんである。昨日悪いものでも食ったか?いや、とんこつに罪はない。あろうはずがない。...なに現実逃避してるんだ。

(とっ、とりあえず外に出よう。何かわかるかもしれない。)

 自分に言い聞かせ、なんとなくこのまま置いておくのもなんだしとなるべく見ないようにしていたローブを纏い、剣を下げ表に出ようと礼拝堂の扉に手をかけた。

 っと激しいめまいに襲われる。

 「な、っ?!!」

はじめての投稿となります

いろいろな方の作品を読ませていただき楽しんでいました。そうした中で自分でも異世界転生物、異世界転移物を書いてみたいと思った次第です

とりあえず序章の部分をこれから上げていきます

読んでもらえれば幸いです

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