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第一部-6 少女
うん、とルーシーは自慢げに言った。
「まずその一、学校の周りの海にはタコの怪物がいるらしい」
それ知ってる、エリが呟いた。
「その二、学校の図書館には大きな隠し部屋があるらしい」
へぇー、そばかすの女の子は相槌を打った。
「その三、校長先生のことを褒めようとしても、褒めるところが見つからないらしい」
それって学校の七不思議なの?、とローレンは突っ込んだ。
「その四、ある寮の部屋に割り振りられた生徒は、先生から目を付けられるらしい。その五、イケメンな先生がいないらしい。その六、校長先生は瞬間移動の超能力をもっているらしい。その七、真夜中に廊下を歩くと幽霊がパーティーしている音が聞こえるらしい」
「幽霊なんて絶対にいないよ」
エリは自信満々に言った。
「でも、お兄ちゃんの友達が実際に、幽霊の声を聞いたらしいよ」
ルーシーは太い指でニキビをかきながら言った。
「もし、幽霊がいるとしても絶対に怖がらないから」
エリはそう言って、ツインテールを揺らした。