平塚市
プッシュボタンで開いたドアの向こうは天井の高いエントランスホール。
右手にはこども室があり、入り口にはブックスタートのポスターが掲示されている。さすがに私一人では入りづらい。リサイクル本の棚をざっと眺めつつ、階段を上って2階のカウンターへと向かう。
こちらも飛沫防止カーテンが厳重に設置されている。
「教科書が置いてある書架はどちらですか?」
事前にホームページで確認し、この図書館には市内の小中学校で使用されている教科書が誰でも閲覧できるように配架されていることを知っていた。
「3階に専用の書架がございますよ。」
3階のフロアはとても広かった。そのほとんどが学習席となっており、周囲に参考図書などが配置されている。1つが教科書を抱え込んでいた。
その後ろには地域資料が続く。隣接市町村だけではなく、横浜市などの資料も収集されていた。
要所要所に業務用のサーキュレーターが空気をかき回していた。
一通り調査を完了させて、図書館を後にする。
駅に向かって5分。平塚市役所の本庁舎はなかなか目を惹く外観だった。
さらに私の徒歩で10分。市内唯一の旅客駅である「平塚駅」に辿りついた。
私は、眠りに落ちる前の彼女に会ったことがある。
彼女から「話したいことがある」と言われたとき、私は少しだけ感情が高揚した。
彼女から「好きな人ができた」と聞かされたとき、私は…沈んで、沈んで、眠れなくなった。
鎌倉で彼女に再開したとき、彼女は別人になっていた。チュールスカートにスニーカー。すこし、崩したコーディネートだった。
彼女は言った。「妹」は眠ってしまったのだと。別人として人生を引き継いでいくのだと。
夕暮れ時の空。ビルに切り取られた空の中を、名前の分からない鳥の群れが隊を成して旋回している。
広いバスのローターリー。今日は定期巡回の献血バスが停車している。その景色の一角に彼女の姿を見つけた。
彼女は今も眠り続けている...はずだった。
今日は、チュールスカートでもスニーカーでもない。
眠っていたはずの彼女が、今、私のすぐ目の前にいる。
私はゆっくりと手をのばす。
彼女の喉は思ってた以上に細かった。
私は封じていた臨海に足を運んだ。躊躇せず、暗く澄んだ海面にダイブした。
視界の端には、警告を示す信号灯が光っていた。
これまでのアカウントもろともアンインストールして、『歪』を『白』で塗りつぶす。
私が置き去りにしたヘッドホンからはボカロの甲高い声で「臨海ダイバー」が流れていた。