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EMOTION  作者: アマノガワ
第一章:shin 始まり編
2/10

一話:大嫌い

病気から外へ出た記憶喪失青年。

そこで彼が見た光景とは……。


「なんだ……これ!?」


目の前に広がっていたのはまるで戦争の後のような

とても荒れ果てた街の光景だった。

ビルやマンションなどの窓は割れ、壁や天井は朽ち、

車は放置されたりして、とにかく荒れていた。

人は居るが、みんな貧しそうな姿をしている。


寝ている間に日本では何が起きたんだ!?

そもそも自分はどのくらい寝ていた!?

一週間?一ヶ月?一年?そして何で病院に?

なぜ院長はこの街の状況を説明しなかった?

院長は何かを隠している?でも何のために?

あの院長に質問ばかりされて、こっちが質問するのを

忘れていた!聞きたいことが沢山あるのに……!


頭の中がさまざまな疑問で埋め尽くされるが、

院長を問いただすためにすぐに病院に戻る。



「京久院長!!」


「病院ではお静かにお願……っておや?さっきの?

また入院ですか?うちにはそんな余裕までは……」


「違います!!」


「だから声が大きいですってば……!」


「……闇山京久さん。あなたに聞きたいことが

沢山あります。正直に答えてください。」


「ちょっといきなりなん……」


「まず一つ目。自分はどのくらい寝てましたか?」


「……………。」



見たことのない真面目な顔を見せる闇山。

じっと黙り続けて答えようとしない。



「自分の質問に答えて下さい!京久さん!」


「……やっぱり嫌いだよ。自分君。」


「それってどういう……」


「もう来たかな?」



さっきから何を言っているんだ!?

何で質問に答えない!?やっぱり何か隠して……

……ん?なんだこの音?


玄関の方からだんだん近づいてくる数人の足音。

そのとき闇山から何かを手に待たされる。



「はい、これプレゼントっ♡」


「は?」



何だこれ?……ってこれ!拳銃!!??

何でこんなものが!?



「動くな!!そのまま銃を捨てろ!!」



そう思っていた瞬間、後ろを振り向くと白マントや

白帽子を身につけた全身真っ白姿の人達がこちらに

銃を向けて叫んでいた。


何この人達!?警察?自衛隊?いや、こんな姿の人達

見たことないし!っていうか何で自分拳銃向けられ

てんの!?銃を捨てろって、銃なんて持ってな……


ゆっくり自分の手元にあるものを見る。



        これじゃん。



なんとなく分かった。なんでか知らないけど、

京久さんは自分のことが大嫌いで、やっと退院して

居なくなったと思ったらまた来て、ムカついたから

自分に銃を持たせてこの人達に捕まるように

仕向けた……と。……いや、やっぱりわからないわ。



「きゃ〜助けて〜!護国隊(ごこくたい)の人〜!

この人〜急に私に銃を向けてきたんです〜!」


「ちっ違います!誤解です!自分はこの人に

はめられただけなんです!信じて下さい!!」



まず今は誤解を解かなきゃ!こんなところで

捕まったらいろいろ面倒になりそうだし……。

とりあえず銃をそっと床に置いこう。



「ほ、ほら、銃はもう持ってません。

本当に誤解なんです。この人が自分に銃を持……」




       バン!!!!!




大きな破裂音が病院中に響きわたる。


へ?何?なんかお腹が……温かい。


そっと、自分の腹部に手を当てる。


これなんだろう……なんか……赤い。

……お腹が……熱い。


熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。

熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。

痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。



前の方に膝をつきながらゆっくり倒れる。

腹部からドクドクと命の液体が流れ出ていき、

意識がだんだん遠くなっていくのを感じる。



「どうやって銃を手に入れたのかはわからんが、

たかが凡民(ぼんみん)が俺達護国隊相手に生意気に話しかける

こと自体が大罪だ。」


「ありがとうございます。あ〜怖かった。」


「闇山院長怪我はありませんか?」


「大丈夫大丈夫。無傷ですよ。」


「それは良かったです。」



痛い。めっちゃ痛い。痛すぎて死にそう……。

いや、もう死ぬか……記憶も無いし走馬灯とかも

見れないのかな……。



「では、私達はこれを廃棄しにいくので。」



親や友達の顔も思い出せずに……このまま……。



「はい〜。ご苦労様です〜。」



嫌だ……死にたくない……このまま死ぬなんて……



「おい、こいつまだ立とうとしてるぞ。」


「産まれたばかりの子鹿……だっけ?

それみてーだな!ぷっははははは!!」



絶対に……



「病院の床をこれ以上汚されるのは嫌ですから

さっさと殺しちゃってください。」


「はい、分かりました。」


「今度は頭いっちゃいますかー?」


「いいねー。(まと)動くから外すなよー……」




嫌だ!!!!!






Continue to 二話:「チカラ発動」.

自分君、絶体絶命!!

護国隊とは一体何なのか!?

果たして自分君の運命はいかに……!

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