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決戦!天界天華 プリンセス・アウラン part.7

「ここに書いてあることが本当だと、我々の手に負える自体ではないな……」

 

 エクソーンが深刻な顔をして呟いた。

 

「どーまんせー、今ならまだ退散できるよ」

「おバカっ!ファウちゃんを見捨てて逃げるなんてできっこないワ!」

「しかしこれは僕達の能力を遥かにオーバーしているよ。これにはマネーの力も遠く及ばないさ」


 しばらくの間、4人は議論を交わしていた。

 丁度いいところにソファーがある。丁度いいところにティーポットがある。丁度いいところにポップコーンもある。

 勝手にカップにハーブティーを注ぎ、お皿の上にポップコーンをポロポロとこぼした。



「このポップコーン、おいしいな。コンビニじゃこんなにおいしいの売ってないぞ」

「このハーブティーも素敵ダワ。すっきりとした味わいがポップコーンの塩味によくしみるワ」

 

 いつの間にか4人はこれからの対応策を考えるのを忘れ、ティーパーティに勤しんでいた。

 午後のティータイムは緩やかに時を刻んでいく――。

 知らない間に日は傾き、午後のオレンジが辺りを包み出したところで、

 

「バタン」

 

 不意に扉が開く音がしたものだった。

 

「!?」

 

 時間を忘れてティーパーティに勤しんでいた4人が、急に現実に引き戻され、扉の方へと注目した。

 その目に驚きの色が浮かんでいる。

 


「って、驚いているのは私の方だよ。アンタ達、こんなところで何やってんの?」


 プリンセス・アウランが呆れたように髪を撫でながら言った。


「お前ら、一体なにしに来たんだよ」

「ふっ……」



 ファウの質問に対しエクソーンが不敵に笑った。ソファにくつろぎ、片手にはティーカップを握ったままである。


「我々は仲間を返しに来たまでのことだ。そしてプリンセス・アウラン!お前の野望を打ち砕くためにもだ!!」

「――どういうこと?」

「全てはその本に記してあったということだ!お前が城を戦艦に改造して魔界を攻めようとしている計画は、全てお見通しなのだ!!」

「ふーん。それで?」

「だからキサマをとっちめて、その計画を砕いてくれる!!」

「落ちこぼれのお前達にそんなことが出来るわけないじゃない?頭の中まで底辺だったんだね」

「ふっ、確かに我々だけでは底辺かもしれない。しかし、今の我々には頼もしい仲間がいる!!」


 エクソーンがさっと立ち上がり、ティーカップの中身を飲み干すと、その先をファウへと向けた。

 

「そう!ファウだ!我々の仲間!!キミが居ればこの窮地を打開することができるのだ!!」

「お前ら……」


 じーんと胸に響くものを感じる一方でファウは、コイツらと仲間扱いされていることに恥ずかしさを覚えていた。

 なにせこんなところで悠々自適にくつろいでいたような連中である。

 今更になって格好を付けて熱血ぶったことを言われても、なんともしょうもないのであった。

 しかし、重要なのはそこではない。

 さっとエクソーンが布に包まれば棒状のものをファウへと投げ渡したのだった。



「さぁファウ!これで存分に戦うのだ!!

「チッ、偉そうに言ってるんじゃねェ!でも、ありがとうよ。これで……」


 ファウが布を取り払うと、中からはやはり飾り気のない無骨な剣が現われた。

 この剣がお払い戦隊の一件でエクソーンと戦った時、ファウの窮地を救ったのだ。

 

「プハァ!やっと息が出来るぜ!!やいお前!いつまでも俺をこんな汚い布でくるみやがって!!」

 さっそく剣が怒鳴り声を上げた。これが頭に響くし五月蝿いから、今まで城の地下に幽閉していたものだったが、今となってはその力強い声もこの事態を打開するには心強く感じられる。

 

「悪かったよ。それでさっそくだけどアイツを倒したいんだ。手を貸してくれないか?」

「アイツ?――って、オイ!アイツは!?」


 剣がグッとプリンセス・アウランの方へと向き合った。


「あん?お前、アイツのこと知ってるのか?」

「アイツは……オレじゃねェか!!」

「ハァ!?」

これはいったいどういうことなのだろうか?

プリンセス・アウランを前に剣を構えたファウを待ち受ける事態・・・

待て次回!!

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