永遠の愛に祝福を
万雷の拍手に包まれて、バージンロードを歩く君。
いつも無口でちょっと怖かった親父さんの照れたような顔、はじめて見た気がする。
君と出会ったのは、僕らがまだ幼稚園の頃だ。引っ越し先のお隣さん、偶然同い年だっただけの。
小学校、中学校、高校、大学。あれから十数年、振り返ると、どの思い出の中にも君はいた。
給食のデザートをねだったり、テストの点を見せあったり、趣味の合ったバンドのライブを見に行ったり。一緒に入った演劇サークルでは、ロミオとジュリエット。
照明の僕と、ヒロインの君。勝ち気で、いつも僕を引っ張ってくれていた君にスポットライトを当てるのは、なんだか不思議な気持ちだった。
舞台の上の君は綺麗だった。なんども重ねた練習、ランチをご馳走してくれるからって付き合わされた台本の読み合わせ。僕は今だけはロミオなんだと、張り切って付き合った。あまりの熱の入れように、あなたがロミオを演ればよかったのに、なんて言ってくれたね。
さあ、舞台の幕は上がった。
そして、今日のヒロインはもちろん君だ。あの日のジュリエットより、ずっと綺麗に見える。僕の思い出の中の、どんな君より。
そしてこれは悲恋の物語じゃない。君が、幸せになるための舞台だ。
だから僕は祝福しよう。ずっと伝えきれなかった気持ちは胸にしまって。
君があいつとテーブルをまわる。締め付けられるような胸の痛みを抑えながら、それでもにっこり笑って言うんだ。
「結婚、おめでとう。」
注意・作者の実話ではありませんよ!
こういった作風の小説ははじめてなので、うまく書けてるかどうか・・・。ご意見ご感想、よろしくおねがいします。




