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プロローグ

入婿いりむこ

 本来何の関係もない男性が、名実ともに配偶者の実家の一族に組み込まれること。これは主に日本に見られる独特の風習。養子の風習自体は中国にも存在するのでありますが、他性のものを養子とすることは多くありません。一方、神以外のものが親子関係を勝手に変えることは神に対する冒涜である。と考えるキリスト教世界には養子と言う概念自体が否定されています。もっともキリスト教定着以前のローマ世界では頻繁に養子縁組が行われていた模様。

 そんな世界的にも珍しい入婿制度が頻繁に行われて来たのが日本。家制度、家督の概念が生じると同時にまず武家社会で頻繁に執り行われるようになったこの『入婿』の制度は江戸時代に入りますと、女性が収入の担い手となる=他家に出すわけにはいかない海女や養蚕など第一次産業に携わる家や、時代の流れを読む力がより要求されるため、たとえ実の息子であろうとも能力無ければ継がせるわけにはいかない。潰されるよりは余程かマシ。と、当主が見込んだ使用人と当主の長女とを結婚させ後継者とした第三次産業に携わる家などごくごく普通の風景の1つとして定着した日本独特のこの制度『入婿』。

 『逆玉』などと呼ばれ、『男の夢』と一見羨ましい。と思われるかもしれませんが『小糠三合あるならば入り婿すな』=わずかな財産があるのなら他家へ婿入りせず、一家を構えよ。と言う言葉がありますように、元々の立場が妻よりも弱いため、肩身の狭い思いをしなければならないこと。更には、入った理由が『家を繁栄させること』にありますので、『家を大きくして当たり前』『現状維持では意味は無い』『家を傾けるなんかもってのほか』と三顧の礼で迎え入れられたはずなのに……。と苦労の絶えない立場に置かれることになるのも『入婿』が抱えることになる宿命の1つであります。

 そんなただでさえ大変な入婿に、それも必ずしも喜ばれる形で迎え入れられたわけではない2人の人物にスポットに当て、彼らの愚痴をベースに物語は展開していくことになります。

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