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不良と恋  作者: 琥珀
1/5

泡沫と夢



彼女は言った。


______少しでもいい、彼に会いたかったの。



そんな彼女に気付かずに無様な男は言う。


____君が僕を助けてくれたのかい?



すべてを知りながら、あの女は言った。


____そうです。私があの嵐の夜に溺れたあなたを





助けました。



と。



女の思惑に気付きながらも、伝えるすべのない彼女はただ歯がゆい想いで見つめていた。



そんな彼女を愛しく思うヒト成らざるモノに気付かず。



一方的な想いは最悪のカタチで終わることとなった。



彼女は、人魚姫は。




泡となって消えてしまった。


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